1日の量は?どれを選べばいいの? 獣医師が教える「キャットフード」の基礎知識/家ねこ大全(10) 

「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。

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Q.ほしがるだけフードを与えたらダメだよね?

A.猫の食事は必要なカロリーを基準に


猫の食事は年齢ごとに必要な栄養素、必要摂取カロリーが異なります。

ですが、原則は「1日の適正量(※)を守って与える」ことです。

猫に必要な摂取カロリーと適正量は、単純に体重だけでいえば完全室内飼育の成猫の場合、およそ体重1kgに対して52kcalが目安です。

5kgの猫なら1日260kcalまでのフードを与えていい、と判断します。

ですが、実際のところはその子の年齢や体重に加え、①肥満気味かどうか、②不妊・去勢手術はしているか、③運動量はどのくらいか、などによって変わります。

とはいえ、飼い主さんが年齢や体重などから適正量を計算するのは大変です。

キャットフードを利用し、基本的には商品パッケージに書かれている適正量を参考にして与えるのがよいでしょう。

もし、飼い猫に「もうちょっと食べたい?」とねだられても、決まった量以上を与えないでくださいね。

太っている猫のほとんどは、「かわいくってつい......」の結果だったりします。

定期的に体重測定をして、フードの量や内容が適正か、確認することも大切です。

また持病がある場合は獣医師に相談しましょう。

※体重や該当項目にチェックを入れるとカロリー計算ができるサイト「猫のカロリー計算Ver3.0」


Q.キャットフードの種類が多すぎて選べない

A.「総合栄養食」と表示されたものを選びましょう


猫ブームを反映してか、さまざまなキャットフードが販売されています。

どれを選んだらよいのか、迷ってしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。

あらためて基本をおさらいしてみましょう。

市販のキャットフードはおもに「総合栄養食」「一般食(副食)」「おやつ(間食)」の3タイプ。

基本の食事は、総合栄養食を与えます。

総合栄養食とは、そのフードと水だけで健康維持が成り立つもの。

人間でいう、ごはん、味噌汁、おかず、サラダが一度にそろう食事。

猫に必要な栄養素はバランスよく摂取できます。

一方、一般食は総合栄養食に混ぜて与えるおかずのようなもの、おやつは人間でいうごほうび、おやつのような位置づけで、これだけでは必要な栄養が摂れません。

あくまでも総合栄養食の補助フードととらえてください。

一般食やおやつの与え方は別の項で解説します。

キャットフードの種類
●総合栄養食

●一般食(副食)

●おやつ(間食)

●療養食
動物病院で処方される、治療を目的にした食事

●そのほかの目的食
妊娠用といった「目的」ではなく、特定の栄養だけを足したい場合など、医療的側面がある

イラスト/柴田ケイコ

ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。

【まとめ読み】『家ねこ大全285』記事リスト

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藤井康一(ふじい・こういち)
藤井動物病院院長、獣医師、獣医学修士、博士(学術)、経営管理修士。2011年にツイッターを開始。多くの飼い主さんに「こんなことに注意をしてもらえれば」という現役獣医師ならではの最新情報を発信したところ、「困っていたときに役立った」と評判に。フォロワーは5万人超える(2020年7月現在)。

猫のカロリー計算Ver3.0

 

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『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』

(藤井康一/KADOKAWA)

猫好きの方は、大好きだからこそ猫のミステリアスな部分をもっと知りたいですよね。さまざまな行動が意味する猫の気持ちや不調のサインなどをSNS上で人気No.1の獣医さんが解説しています。ちょっとした豆知識から、近年注目されている「猫のうつ」など最新の病気の治療まで、猫のことがすべてわかる一冊です!

※この記事は『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(藤井康一/KADOKAWA)からの抜粋です。

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