「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する最新の医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.甘噛みしてくるのなんで?
A.歯の生え替わる時期でむずがゆいから。遊びたい! アピールでもあります
甘噛みは生後2~3か月頃から見られる子猫特有の行動です。
飼い主さんのことが嫌いで噛みつくのではなく、どちらかというと母猫に甘えるような気持ち。
「遊びたい」「かまってほしい」と思っているのです。
幼少期におっぱいを吸うときの「吸いつき行動」が抜け切れず、甘噛みしてしまうこともあります。
ほかにもいくつか理由があります。
子猫は母猫から与えられた獲物を甘噛みすることで狩猟本能が育まれます。
また、甘噛みが始まる頃に新しい歯が生えてきます。
そのため歯ぐきがむずがゆく、甘噛みしながら歯固めしているのです。
Q.甘噛みをやめさせるにはどうしたら?
A.人間の指=噛んでもいいと覚えてしまうので甘噛みされたら拒絶すること!
子猫の頃はとにかくかわいくて、甘噛みも許してしまいがちです。
けれど、「人間の指=噛んでもいい」と猫が勘違いすると後々よくありません。
歯固め用のおもちゃを与えてください。
甘噛みされたら「痛い!」と短く、低いトーンで少し大げさに注意します。
理由はお伝えしたとおりです。
決してたたいてはダメですよ。
信頼関係が壊れてしまいます。
また、叱るとかえって「噛めばかまってくれる」と覚えてしまうので逆効果。
噛んだら遊ばない、を徹底させましょう。
手を急に引っ込めると、狩猟本能が刺激され、かえって興奮してしまう猫も。
また、甘噛みを許していると問題行動につながることもあり、血が出たり、あざになってしまうほど強く噛まれるようになります。
この場合は、精神的な不安が原因のことが多く、場合によっては動物病院で精神安定剤や抗うつ剤を処方することもありますが、たいていの場合は飼い主さんの声がけで解決できます。
「大丈夫。いなくなったりしないよ」とやさしく言い聞かせてあげると、自然と治まってきます。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。