「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.ひとりで過ごすの寂しくない?
A.ずっと寝てるし、平気です。猫には「人間に飼われている」認識がほとんどない!
「仕事で一日中家を空けることが多いから猫を飼えそうもない」という方がいます。
「愛情不足にならないかな?」と心配のようです。
じつは猫は日中ほとんど寝て過ごすので、快適な環境さえあれば、飼い主さんがいなくてもあまり気にしていません(睡眠時間は14~16時間といわれています)。
そもそも猫には「人間に飼われている」という認識が希薄なのです。
どちらかというと、同じ空間の中に暮らす仲間、同居人、「この時間だけ、自分のテリトリーの中にやってくる存在」という感覚なのかもしれません。
くり返しになりますが、放っておくより、かまいすぎるほうが問題です。
猫にとってかまわれることがあたりまえになり、そうじゃないと愛情不足を引き起こし、人に噛みつく、粗相をするといった「問題行動」に発展することがあります。
日中に一緒にいられなくても、帰宅してから遊んだり、触れ合ったりする時間があれば大丈夫、安心してください。
猫が待っている生活はなかなかよいものですよ。
Q.もしかして猫って環境の変化に弱いの?
A.いないはずの時間に人が...新型コロナウイルス感染症で猫のストレスが増大!
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の影響で、日本でも在宅ワークをする人が増えました。
「猫と過ごせる時間が増える!」と喜ぶ飼い主さんに反して、「いつも家にいないはずの時間に人がいる」―このことは猫にとって大きなストレスだったようです。
「問題行動」に発展するケースも見受けられました。
とくに目立ったのは毛づくろいが過剰なケースです。
舐めすぎて前脚やおなか、後ろ脚まで脱毛した子が多く来院しました。
日中に人がいることで毎日のルーティン行動がとれずにじっとして過ごし、ある意味、猫も自粛を余儀なくされたようです。
一緒に過ごす時間が長くなる場合は、①こちらからはあまりかまわず、猫が遊んでほしいときに遊んであげる、②睡眠時間をしっかりとらせる、③留守のときに猫が占拠している部屋で長時間過ごさない、もしくは猫にひとりの時間を与えてあげてください。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。