コロナ禍は猫にとってもストレス増!? 獣医師の「猫をかまいすぎない」ススメ/家ねこ大全(8)

「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。

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Q.ひとりで過ごすの寂しくない?

A.ずっと寝てるし、平気です。猫には「人間に飼われている」認識がほとんどない!


「仕事で一日中家を空けることが多いから猫を飼えそうもない」という方がいます。

「愛情不足にならないかな?」と心配のようです。

じつは猫は日中ほとんど寝て過ごすので、快適な環境さえあれば、飼い主さんがいなくてもあまり気にしていません(睡眠時間は14~16時間といわれています)。

そもそも猫には「人間に飼われている」という認識が希薄なのです。

どちらかというと、同じ空間の中に暮らす仲間、同居人、「この時間だけ、自分のテリトリーの中にやってくる存在」という感覚なのかもしれません。

くり返しになりますが、放っておくより、かまいすぎるほうが問題です。

猫にとってかまわれることがあたりまえになり、そうじゃないと愛情不足を引き起こし、人に噛みつく、粗相をするといった「問題行動」に発展することがあります。

日中に一緒にいられなくても、帰宅してから遊んだり、触れ合ったりする時間があれば大丈夫、安心してください。

猫が待っている生活はなかなかよいものですよ。


Q.もしかして猫って環境の変化に弱いの?

A.いないはずの時間に人が...新型コロナウイルス感染症で猫のストレスが増大!


2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の影響で、日本でも在宅ワークをする人が増えました。

「猫と過ごせる時間が増える!」と喜ぶ飼い主さんに反して、「いつも家にいないはずの時間に人がいる」―このことは猫にとって大きなストレスだったようです。

「問題行動」に発展するケースも見受けられました。

とくに目立ったのは毛づくろいが過剰なケースです。

舐めすぎて前脚やおなか、後ろ脚まで脱毛した子が多く来院しました。

日中に人がいることで毎日のルーティン行動がとれずにじっとして過ごし、ある意味、猫も自粛を余儀なくされたようです。

一緒に過ごす時間が長くなる場合は、①こちらからはあまりかまわず、猫が遊んでほしいときに遊んであげる、②睡眠時間をしっかりとらせる、③留守のときに猫が占拠している部屋で長時間過ごさない、もしくは猫にひとりの時間を与えてあげてください。

イラスト/柴田ケイコ

ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。

【まとめ読み】『家ねこ大全285』記事リスト

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藤井康一(ふじい・こういち)
藤井動物病院院長、獣医師、獣医学修士、博士(学術)、経営管理修士。2011年にツイッターを開始。多くの飼い主さんに「こんなことに注意をしてもらえれば」という現役獣医師ならではの最新情報を発信したところ、「困っていたときに役立った」と評判に。フォロワーは5万人超える(2020年7月現在)。

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『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』

(藤井康一/KADOKAWA)

猫好きの方は、大好きだからこそ猫のミステリアスな部分をもっと知りたいですよね。さまざまな行動が意味する猫の気持ちや不調のサインなどをSNS上で人気No.1の獣医さんが解説しています。ちょっとした豆知識から、近年注目されている「猫のうつ」など最新の病気の治療まで、猫のことがすべてわかる一冊です!

※この記事は『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(藤井康一/KADOKAWA)からの抜粋です。

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