「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.土下座みたいな姿勢で寝るのなんで?
A.まぶしいからが有力。「ごめん寝」をしていたら照明を落としてあげて
前脚を折りたたんで額を床につけ、まるで土下座をしているように見えるため「ごめん寝」ともいわれます。
なんとも不思議でかわいらしいポーズに、癒される飼い主さんも多いのではないでしょうか。
「ごめん寝」をする理由はずばり「まぶしいから」です。
猫の眼球は光をキャッチする力が強く、日中や明かりのついた部屋では目を閉じていても光を感じてしまいます。
前脚で目を隠すように眠るのも、顔を下に向けて寝るのも、同じような理由だと考えられています。
まぶしいがゆえの行動なので「ごめん寝」しない猫もいます。
「ごめん寝」していたら照明を落としてあげましょう。
Q.前脚を内側へ折り曲げて座るのなんで?
A.猫の座り方は独特。関節を180度折り曲げることができます
そもそも猫の座り方はほかの動物に比べて独特です。
犬は前脚をまっすぐ伸ばして座りますが、このような姿勢が動物にとっては一般的です。
一方、猫は手足の関節を180度折り曲げて、体にピタリとくっつけることができるのです。
猫のこのような座り方は「香箱座り」と呼ばれ、リラックスポーズだといわれています。
ここから頭を前に倒すと「ごめん寝」になりますから、座っていたら気持ちよくなって寝ちゃったということなのでしょう。
ですが最近、「香箱座り」ができない猫が増えています。
関節が曲がらないのです。
もし、片脚だけが曲がらないなど、左右差があれば関節を痛めていると考えられます。
関節が自然に曲がるかどうか、そっと触って試してみてください。
手脚の関節を内側に目いっぱい曲げたときに手足の甲が腕側にくっつけば大丈夫。
人間の足首にたとえるなら、足の甲がすねにくっつくイメージです。
痛がる場合は関節痛の疑いがあります。
とくにマンチカンやスコティッシュフォールドなど脚が短めの子は関節に異常がでやすいので注意してください。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。