四角い帯地ときもの地で作る...ブラウス&ワンピースの魅力

舞台衣装作家の岡本孝子さんに「きもののリフォーム」について教えていただく、定期誌「毎日が発見」の人気企画。今回ご紹介するのは、四角い帯地で作るブラウスときもの地を横向きに縫い合わせたワンピースです。どちらも長方形の形を生かして作ります。

プルオーバーのブラウス

縮緬(ちりめん)の兵児(へこ)帯で。長方形の帯の形を生かして作ります

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裾は帯の端そのまま。肩と脇をぬうだけでブラウスになります。布の質感や柄が映えるシンプルなコーディネートを楽しみましょう。

兵児帯の一部をほぼ四角いまま身頃に使っています。

魅力は、柔らかい縮緬地ならではのとろみと落ち感。

もともと帯にあった絞り模様を中央に配したら、自然な立体感が生まれてよりすてきなシルエットになりました。

ワンピース

きもの地を横向きにぬい合わせたワンピースは、着心地のいいゆったり幅です

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朝顔柄のきもの地は透け感と光沢のある紗(しゃ)。スカート部分の布地の枚数を減らし、丈を短くしてブラウスやチュニックにしてもいいですね。

きものをほどくと長方形の布に戻ります。

ワンピースは、その長方形を横向きに4枚ぬいつないだもの。

上部も身頃から左右の袖までつながった一枚布ですから、難しい袖付けをせずに作れます。

ブラウス

素材の兵児帯は長方形。1枚の布ととらえてリフォームしましょう。ブラウスのあまり布でストールも作れます。

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兵児帯とは...
もともとは男性や子ども用として生まれた帯の一種。サイズはさまざまあり、幅は50cm前後(中幅)から70cm以上(大幅)まで。長さは約350cmから400cm以上のものがあります(ここでは48×350cmの兵児帯を使用)。

●ストールに
ブラウスに必要な部分を裁った後、残った長方形の布端をぬうだけ。作り方はとても簡単です。

ブラウスに
身頃は帯幅をいっぱいに使い、1枚を前身頃、もう1枚を後ろ身頃にします

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ストールの使い方を楽しんで
結んだり(上)、ボレロ風に羽織ったり(下)。ボレロ風にすれば二の腕が隠れて安心です。

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脇に布を足して
横から見た様子。脇に布を足しているので身幅はたっぷりです。

【ワンピース】

まず、きもののぬい目をほどいて長方形の布に戻します。ワンピースは、縦長の長方形を横向きに使って作っていきます。

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きものをほどくと...
きもの地の幅は約35~37cm(ここでは36cm幅を使用)。おくみやえりはその半分の幅です。

ワンピースに
色の付いた部分・身頃とおくみを使って作ります

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後ろ身頃にボタンを
脱ぎ着は後ろ身頃のボタンで。見えているのは飾りボタン(写真)。裏側の同じ位置にスナップボタンを付けてあります。

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ウエストにギャザーを寄せて
横から見た様子。スカート布のはぎ目にギャザーを寄せて緩やかなAラインに仕上げます。

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きもの地を横向きにぬいます
スカート部分は、ほどいたきもの地を3枚横にぬいつないでいます。

取材/飯田充代 撮影/木下大造

【まとめ読み】『岡本さんのシンプルきものリフォーム』記事リスト

 

岡本孝子(おかもと・たかこ)さん

1937年、東京生まれ。文化服装学院デザイン科卒業。1987年より劇団SCOT主宰の鈴木忠さんとともに舞台衣装制作に携わる。現在もオペラなど多くの舞台衣装を作り続けている。

●作り方は『毎日が発見』6月号P100~105で詳しく解説しています。

この記事は『毎日が発見』2020年6月号に掲載の情報です。
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