獣医師に聞いた「ねこを2匹以上飼う場合」に気をつけること/家ねこ大全(20)

「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。

獣医師に聞いた「ねこを2匹以上飼う場合」に気をつけること/家ねこ大全(20) ieneko_146.jpg


Q.2匹以上飼う場合に気をつけることは?

A.空間のすみ分けが大事。猫に「個室」は贅沢? いいえ、なかよく暮らすコツです


2匹以上の多頭飼育をする場合はすみ分けできるエリアを用意してあげてください。

1匹はリビング、もう1匹は寝室などと1匹につき1部屋が理想ですが、換気がされていて、出入りが自由にできれば、押し入れを"個室"にする猫もいるので安心してください。

混雑した場所での生活は猫にとってストレスです。

せまい場所で集団を形成すると獲物の奪い合いになり生存に不利。

そのため単独で生活し、互いのエリアをじゃましないようにマーキングをしてなわばりを守り生きてきた猫の暮らしを見れば明らかです。


Q.先住猫と新しい猫をなかよくさせるには?

A.新入り猫と先住猫の相性は?仲を取り持つフェロモン療法を活用してみよう


先住猫がいる環境で新しい猫を迎える場合は、最初が肝心です。

1.最初の2週間は新入り猫をケージに入れ、先住猫ににおいを嗅がせます。

2.先住猫がにおいに慣れたら、先住猫がふだんいない部屋へ新入り猫を放ちます。

徐々に新入り猫の活動範囲を広げていくとお互いの敵対意識は薄れます。

相性が悪い場合は、新入り猫を拭いたタオルで先住猫を拭いて、においに慣れさせる方法もあります。

それでも効果がない場合は「フェリウェイ®」というフェロモン療法を試してみてください。

「フェリウェイ®」とは猫の頬から分泌されるフェロモンに注目して開発された製品です。

猫に安心感を与え、問題行動を抑える作用があります。

猫がフェロモンを認識→ストレスが減る→行動が変わる、という製品なので、効果が表れるまで2週間ぐらい様子を見てください。

それでも効果がない場合は相性の問題ではなく、室内環境に問題があることも多いです。

トイレや水飲み場などの環境を今一度確認してみてください。

イラスト/柴田ケイコ

ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。

【まとめ読み】『家ねこ大全285』記事リスト

獣医師に聞いた「ねこを2匹以上飼う場合」に気をつけること/家ねこ大全(20) 91JWBsV-G9L.jpg

 

藤井康一(ふじい・こういち)
藤井動物病院院長、獣医師、獣医学修士、博士(学術)、経営管理修士。2011年にツイッターを開始。多くの飼い主さんに「こんなことに注意をしてもらえれば」という現役獣医師ならではの最新情報を発信したところ、「困っていたときに役立った」と評判に。フォロワーは5万人超える(2020年7月現在)。

shoei.jpg

『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』

(藤井康一/KADOKAWA)

猫好きの方は、大好きだからこそ猫のミステリアスな部分をもっと知りたいですよね。さまざまな行動が意味する猫の気持ちや不調のサインなどをSNS上で人気No.1の獣医さんが解説しています。ちょっとした豆知識から、近年注目されている「猫のうつ」など最新の病気の治療まで、猫のことがすべてわかる一冊です!

※この記事は『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(藤井康一/KADOKAWA)からの抜粋です。

この記事に関連する「趣味」のキーワード

PAGE TOP