「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.よだれがべたべた!これって病気?
A.口内炎になっているかも。食事をしたがらないなら決定的です
猫のよだれがべたべたしている場合、まずは口内炎が疑われます。
正式名は「歯肉口内炎」と言い、猫に多い病気です。
4歳くらいから年を重ねるにつれ8~9割の確率でかかります。
猫に多い理由ははっきりしていませんが、歯周病のほかに猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルス、猫カリシウイルスなどの感染症にも原因があるとされ、そのためワクチンの接種でよくなることもまれにあります。
人間の口内炎と同じく、歯肉や口腔内の粘膜部分が炎症し、潰瘍(赤や白い患部)ができますが、口の中全体にびっしり潰瘍ができている猫もよく診察します。
ひどくなって化膿したりすると、食べるときなどに「ギャー!」と鳴き声を上げて痛がります。
出血をともない、食事も困難になるかわいそうな病気なので、少しでも早く治療してあげましょう。
Q.口内炎にかかっていないか心配
A.前脚のべたつきも重要なヒント。ここを見ればわかる口内炎のチェックポイント
よだれがべたつくといったサインがあればいいのですが、なにせ猫は病気を隠したがります。
飼い主さんも口内炎の初期段階で気づくのはなかなかむずかしいかもしれません。
飼い猫に次のような症状があったら、口内炎を疑ってください。
●よだれが増える
口の中が痛くて、よだれが飲み込みにくくなるためです。あふれでるよだれを前脚でぬぐうため、前脚がべたべたになることも。
●食欲が減る
口を動かすこと自体がつらくなり、しだいに物が食べられなくなります。
●口臭がする
細菌感染によるものがほとんど。細菌いっぱいのよだれが多く出るので、大変においます。
●毛づくろいしなくなる
食事と同じく口を動かすのがつらいことに加え、舌にまで口内炎ができていることが多いためです。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。