「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.猫の不調はなぜわかりにくいの?
A.猫は病気を隠そうとするから。見た目にわかる頃には症状が進行していることも...
猫は痛みや不調を隠すのがとても上手です。
弱ったところを見せると敵にスキを与えてしまうとわかっているのでしょう。
人間に対しても「触ってほしくない」「そっとしておいてほしい」と距離をとろうとします。
そして、見た目にわかるほど具合が悪そうになった頃にはかなり症状が進んでいるのです。
不調のサインを見逃さないように、毎日なでて、抱きしめてあげてください。
「触ってあげること」がいちばんの予防になります。
猫はほかの動物に比べて腫瘍ができやすく、とくにメスは乳腺腫瘍が多くみられます。
これらは体を触ってしこりに気づくことでごく初期の段階で気づき、治療することができます。
また、毛艶にも不調のサインが表れますが、毎日触っているからこそ変化に気づけるというもの。
食欲不振やおしっこの異常などは、見た目でも気づくことができますが、触ってあげることでしか気づけない病気もたくさんあります。
それに、猫とのふれあいは信頼関係を強くします。
病気の早期発見の鍵は、飼い主さんとのコミュニケーションにあるのです。
Q.最近、毛がゴワゴワしてるみたい...
A.猫の毛並みを見れば病気から体調までいろんなことがわかる
飼い主さんにはぜひ毎日猫をなでる時間をつくってもらいたいです。
猫のさまざまな不調はまず毛並みに表れます。
いつもなでているからこそわかることがあるのです。
毛の状態で次のような不調がわかります。
●毛並みがバサバサ、毛艶が悪い...
食べすぎや消化不良、もしくは内臓系疾患による下痢かもしれません。
慢性腎臓病、肝機能障害、免疫介在性疾患の可能性もあります。
●毛玉が多くなっている...
口内炎があるかもしれません。よだれが増えるため、その状態で毛づくろいするとたくさんよだれがつき、毛玉ができやすくなります。
毛並みチェックは慢性の病気を見つけるきっかけにもなります。
実際、私の病院に診察に来る猫は毛並みが悪いことがほとんどです。
調子が悪くて来院しているので当然ではありますが、多くの飼い主さんは気づいていません。
毛並みやツヤを意識しながらふれあうことで猫の体調の変化がわかるようになります。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。