「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する最新の医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.歯磨きはやっぱり必要?
A.歯磨きは最低でも1日おきに。歯のお手入れをしっかりやると寿命が15%延びる
近年、猫の口腔内ケアが注目されています。
口腔内を清潔に保つことで、猫の寿命が15%延びることがわかってきたからです。
人間も歯周病ケアをすることでさまざまな生活習慣病を予防できますよね。
それと同様の考え方です。
猫の口の中はアルカリ性なので虫歯になりにくいのですが、代わりに歯垢から歯石に変わるスピードが速いです。
約3日で歯垢が歯石になってしまうので、歯磨きは最低でも1日おきを目安に行いましょう。
野生の猫は肉食で、肉をあまり噛まずに飲み込むようにして食べます。
一方、室内飼育されている猫の場合、キャットフードが主食です。
やわらかく、細かいため食べカスが口の中に残りやすく、放置すると歯周病の原因になります(とくにウエットフードの場合)。
歯の内側は舌でぬぐって清潔にすることができますが、歯の外側はできないので飼い主さんが歯磨きしてケアしてあげてください。
Q.お口の健康チェックの方法を知りたい
A.歯ぐきの色や湿り気、口臭...口の中には不調に気づくヒントがたくさんある
口腔内の健康をチェックしてみましょう。
口の中にはさまざまな病気に気づくポイントがあります。
●口臭をチェック
いつもと違う、におう場合は何らかの問題あり
●唇をめくり上げて、歯ぐきの色をチェック
赤っぽいピンクなら良好
●歯ぐきを触る
唾液でほどよく湿っていれば問題なし。乾いていたら脱水している可能性あり
●よだれの量をチェック
量が多い。べっとりしている、におう場合は口腔内トラブルが発生
当てはまる場合は一度病院で診てもらいましょう。
アメリカでは飼主さんに年に一度の歯石除去を勧める獣医師が多く、それを実行している飼い主さんも多くいます。
近年、アメリカで猫の寿命が大幅に延びたのは、間違いなく口腔内のケアが発展したことに関係しています。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。