「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.60歳を過ぎて猫を飼いたくなったらどうすれば?
A.親子でタッグを組めればベスト。お子さんが猫を引き取り、親御さんに飼育をまかせる
老後の暮らしを見据えてペットと一緒に暮らしたいという人は少なくないでしょう。
けれど、「病気になって世話ができなくなったらどうする?」「飼い主が先に亡くなってしまったら?」。
そんな理由から60歳以上の人には譲渡しない、または万が一のときに引き受けてくれる保証人がいないと譲渡しないシェルターが一般的です。
これを解決する方法があります。
親子で一緒に関わっていく方法です。
最近、「高齢の親が一人になってしまってかわいそうだから」と、お子さんが猫を飼い、親御さんに飼育をまかせるというケースが増えてきました。
もし親御さんが亡くなった場合はお子さんが引き取る、という約束のもとで、です。
先日、70代の女性が飼い始めたばかりの猫を連れて来院されました。
かつては犬を飼っていたそうで、「娘が猫じゃなきゃダメっていうのよ。猫は初めて飼うからわからないわ」「犬と違って、全然こっちに寄ってこないのよ~」などと話しながらも、とても生き生きとしたご様子。
ペットとの暮らしは新しい楽しみを与えてくれます。
Q.猫をひとり遺すことになったら心配で...
A.人間がシニアになっても最後まで一緒にいられる環境づくりを
パートナーに先立たれ、人生の後半にひとり暮らしになってしまう可能性は誰にでもあります。
託せる人がいる場合はよいのですが、もしものときに愛しの飼い猫をどうするか?
その方法も考えておきましょう。
ペットと一緒に入所できる老人ホームを探してみるのも一計です。
アメリカ・ミズーリ州には「タイガープレイス」というペットと一緒に入れる高齢者施設があります。
大学や医療機関、民間企業が共同で運営するプロジェクトです。
日本でも猫と一緒に入れる高齢者施設が少しずつ増えてきました。
NPOなどが運営する引き取りサービスもあります。
ある一定の金額を積み立てておくと、新たな飼い主を探してくれたり、見つからなくてもケアをしながら飼育してくれるというものです。
飼い主さんの突然の病気や認知症の発症、老人ホームへの入所などをきっかけに飼育できなくなるケースが多いようです。
誰かに託せる場合でも、相手に飼育費の負担はかかります。
金銭面も含めて、いざというときのことを考えておきましょう。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。