「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.猫が熱中症にならないか心配
A.基礎体温を知っておくと熱中症の予防もしやすい
猫はもともと平熱が高い動物で、38度以上あります。
興奮しているときは別として、平熱を大きく上回るような39.5度以上の病的な発熱はまれ。
全身的な感染症や強い免疫反応などが起きている可能性があります。
元気がなく、熱っぽいときは要注意です。
私は飼い主さんに、体温を測ることを推奨しています。
ふだんの体温を記録し、正常時の体温を知っていると熱中症や病気のときに早く対処できるからです。
見た目では様子がわかりにくくても、体温というデータを見ることで猫の体調を把握しやすくなります。
猫の体温は下の方法で家庭でも測ることができますのでぜひやってみてください。
猫が熱中症になるとゼーゼーと呼吸が荒くなり、食欲不振、脱水になります。
よだれが増える、よたよたと歩く、下痢・嘔吐、痙攣といった症状がみられたら病院に行ってください。
【猫の体温の測り方】
1.猫用の体温計に潤滑ゼリーや食用オイルなどを塗って肛門で測る
2.肛門で測るのがむずかしかったら、わきの下(前脚の付け根)で測る
3.体温を記録する
Q.熱中症予防に保冷剤を使ってもいい?
A.熱中症対策に保冷剤を使うのは危険です
熱中症になると体が熱を持っている、ゼーゼーして呼吸が荒い、食欲不振、脱水などの症状が見られます。
濡らしたタオルで全身を覆う、首や胸のまわりを湿らせ冷やし、体温を下げる処置をします。
熱中症対策に保冷剤を使用する方がいます。
しかし一部の保冷剤にはエチレングリコールが使われており、猫が誤って口にすると腎不全で命を落とすことがあります。
猫の歯や爪は鋭くとがっているので、かじったり、引っ掻いたりして保冷剤の袋が破れやすく、エチレングリコールが漏れてしまうと危険です。
猫用の保冷剤にはペットボトルが安全です。
水を入れ凍らせて使用します。
気温がさほど高くなくても、湿度が高ければ猫は熱中症になります。
梅雨の時期や初夏が最初のピークです。
太めの子やいびきをかく子(呼吸による熱代謝が劣るため)、または8歳を超えた高齢の猫は注意してください。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。