こんな抜け毛は要注意! 男性と女性の薄毛メカニズム/抜け毛予防

こんな抜け毛は要注意! 男性と女性の薄毛メカニズム/抜け毛予防 pixta_25646077_S.jpg抜け毛は自分とは関係ないと思い、特に気にせず生活していませんか? そんな方は要注意! 髪は抜け始める前からケアすることが重要なのです。特別なことは必要ありません。衣食住を中心とした生活習慣を根本から見直すだけで、数年後の未来の自分の髪に先行投資することができます。最新の科学的根拠をもとに知識を深め、薄毛にならないための生活を今から始めてみませんか。

抜け毛にまつわるさまざまな原因や治療法、ケアなどを薄毛治療の第一人者である岡嶋研二先生に伺います。

前の記事「肥満ぎみ、たばこを吸う...あなたの薄毛潜在率をチェック!/抜け毛予防(3)」はこちら。

 

男性の脱毛症はAGA、女性の脱毛症はFPHLと呼ぶ

男性型脱毛症は、AGA(Androgenetic Alopecia)と呼ばれ、80歳までに80%の男性に発現するといわれます。一方、女性の脱毛は、女性型脱毛症、FPHL(Female Pattern Hair Loss)と呼ばれます。こちらは更年期近くや、また、若くても女性ホルモンの働きが低下する場合に起こりやすいといわれています。若くても女性ホルモンの働きが低下してしまう原因には、ストレスや睡眠不足, 過度のダイエットなどが多いです。女性ホルモンが減少することでIGF-1が減り、一方で、男性ホルモンの作用が強く現れることも原因です。

「これまでの研究では、男性ホルモン(テストステロン)が毛根に作用すると、毛根にある酵素、5αリダクターゼがDHT(ジヒドロテストステロン)へと変化させ、この物質が育毛を阻害すると考えられていました。しかし、最近、DHTが知覚神経の男性ホルモン受容体に作用して働きを低下させ、毛根のIGF-1(インスリン様成長因子-1)を減らすことで、育毛を阻害することを私が報告しました。つまり、DHT(ジヒドロテストステロン)が直接育毛を阻害しているのではなく、IGF-1(インスリン様成長因子-1)を減らすことで育毛を阻害していることが分かったのです」(岡嶋先生)

 
頭皮が固くなったら要注意! マッサージで刺激しましょう

「薄毛の人の頭皮は、触ると固くなっていることが多いです。患者さんにIGF-1を増やす治療をすると、徐々に頭皮が厚く柔らかくなり、よく動くようになります。頭皮をマッサージすることも、知覚神経の刺激になるので、頭を洗うときは頭皮をしっかり揉むようにして洗いましょう。後述しますが、シャンプーは使わず、お湯だけで洗うのがおすすめです。それから、ナノバブルという小さな泡は、頭皮を刺激してIGF-1を増やすので、市販されているナノバブルを発生するシャワーヘッドで頭を洗うとより効果的ですね。炭酸で頭皮を刺激する炭酸ヘッドスパもIGF-1を増やすので、薄毛予防には効果的です」(岡嶋先生)

 
頭皮に刺激を与えたほうが、毛は伸びます

頭皮への刺激はIGF-1を増やし、育毛を促進します。このために、頭皮マッサージや炭酸で頭皮を刺激するヘッドスパなどは、薄毛予防には効果的です。ただし、必ず指の腹で行い、頭皮に傷をつけないよう注意しましょう。

 

次の記事「「細い抜け毛は危険信号」というのは本当?/抜け毛予防(5)」はこちら。

取材・文/荒井さやか

こんな抜け毛は要注意! 男性と女性の薄毛メカニズム/抜け毛予防
<教えてくれた人>
岡嶋研二(おかじま・けんじ)先生

1978年、熊本大学医学部卒業。1982年、熊本大学大学院医学研究科修了(医学博士取得)。日本学術振興会特定国派遣研究員としてウィーン大学医学部への留学、熊本大学医学部助教授、そして名古屋市立大学大学院医学研究科教授を経て、2012年4月、名古屋Kクリニックを開院。血液学を中心に研究を進め、育毛作用を有するインスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やす新たな方法を見いだし、育毛効果を発揮する治療法の開発へと応用している。

 

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