些細な傷から頭蓋骨骨折まで。「鼻血」の原因はこんなにある!/やさしい家庭の医学

pixta_21834390_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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約9割は毛細血管からの出血

「鼻血」

●「キーゼルバッハ部位」とは?

鼻をほじって内部を傷つけたり、打撲したりすると「鼻血」が出ます。医学的には「鼻出血(びしゅっけつ)」と呼ばれています。

鼻の内部は毛細血管が集まっているため、わずかな傷が付いただけでも血が出ることになるわけです。

鼻の入口には「キーゼルバッハ部位」というものがあり、ここに毛細血管が集中しています。鼻血の約9割は、このキーゼルバッハ部位からの出血とされ、ここからの出血を止めるには小鼻をつまむのがもっともよい方法といえます。

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ただし、鼻血は傷によるもののほか、重大な疾患による場合もあり得ます。たとえば、高血圧や動脈硬化など、循環器(じゅんかんき)系の疾患がある場合、血圧が高いことが理由となってキーゼルバッハ部位からの出血が見られるようになります。血圧が上昇しているうちは鼻血が止まることはありませんが、落ち着くと鼻血も治まるようになりますので、精神的に落ち着くことが重要です。

腎臓病や肝臓病に罹(かか)っている人や、白血病、血友(けつゆう)病、血小板(けっしょうばん)減少症など、血液の疾患に罹っている人も、鼻血が出やすい傾向にあります。これらの疾患が原因による鼻出血の場合は、これ以外にも歯茎(はぐき)からの出血が見られるなど全身症状が出るはずですので、しばらく鼻血が止まらなかったり、鼻血がなかなか止まりにくいといった場合は、医師に相談してみるとよいでしょう。

また、頭を床に強く打ちつけたといった場合にも鼻血が出ることがあります。この場合はとくに注意が必要で、頭蓋骨(ずがいこつ)のどこかの部位が折れることによって脳脊髄(せきずい)液が漏れ、鼻血とともに出ている場合があるからです。

このとき、脳脊髄液が含まれているため、鼻血はサラサラとしているのが特徴です。同時に、口や耳からも出血が見られることがありますので、そのような場合は脳神経外科に一刻も早く診てもらうようにしましょう。

単に鼻血といっても、その原因はさまざま存在することを胆(きも)に命じておきましょう。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。


 

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(中原英臣[監修]/KADOKAWA)

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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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