このコブ、どうする?「脳動脈瘤」が見つかっても慌てるなかれ/やさしい家庭の医学

pixta_32758148_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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脳の動脈の一部がこぶのように膨らむ症状

「脳動脈瘤」

●未然に発見されても悩まない

脳の動脈の壁の一部が膨らみ、こぶのようになっているものを「脳動脈瘤」といいます。これは、動脈の内側から常にかかっている圧力(血圧)に耐え切れなくなったことによって起こるもので、この脳動脈瘤が破裂すると「くも膜下出血」と呼ばれる症状に進みます。

脳動脈瘤になる原因は、生まれつき脳の動脈の壁に弱い部分があることによるもの、つまり先天的なものといえますが、脳の動脈の動脈硬化や頭部外傷、脳の動脈が細菌によって感染した結果として起こる後天的な場合もあります。

通常、脳動脈瘤が脳の動脈にできたからといってすぐに症状が出ることはありませんが、何の前触れもなく破裂してしまうのが脳動脈瘤の恐ろしいところです。

脳動脈瘤が破裂すると、よくいわれているところでは頭をバットで強く殴られたような痛みが生じ、嘔吐(おうと)や意識障害などが見られてくも膜下出血に移行していきます。

脳動脈瘤は脳ドックなどで行なわれるMRAや3D―CTA(3次元脳血管造影)による検査によって発見されることが少なくありません。一般的に40歳以上の人に多く発生すると考えられ、全人類のうちで1.5~5%の割合の人が脳動脈瘤を持っているともいわれています(日本IVR学会ホームページによる)。ですから、皆さんの周りにも脳動脈瘤を有すると診断された患者さんがいるかもしれません。それほど身近な症状といえるでしょう。

現在、脳動脈瘤が検査によって発見されると手術を進める脳外科医が少なくないことは確かです。

ところが、手術するのは脳という極めて難しい箇所であることから、すべてが上手く進むとはいえず、急を要しない場合は、手術をしない選択をし、放置して破裂した場合のリスクと、手術をして起こり得る後遺症や手術成績のリスクをよく検討したうえで手術するか否かを考えたほうがよいといえなくもありません。

もしも医師の説明が不十分で納得がいかない場合は、セカンド・オピニオンを受け、自分の納得のいく診察を受けるようにしましょう。

 

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関連記事「「脳ドック」で発見! 脳梗塞、未破裂脳動脈瘤のリスク/健康診断」はこちら。


中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。


 

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』

(中原英臣[監修]/KADOKAWA)

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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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