異物を排除せよ! 病気に対する体の防御反応「免疫」のしくみ/やさしい家庭の医学

pixta_39444057_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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病気に対する体の防御反応のこと
「免疫」

●「自己免疫」と「獲得免疫」

はしか(麻疹-ましん)のような病気は、1度罹(かか)ると、その後の人生において再び罹ることはありません。これは、はしかに罹った人の血液中にはしかのウイルスに対して抵抗する抗体がつくられることによります。この仕組みを「免疫」と呼びます。

つまり、免疫とは、病気に対する体の防御反応のことで、細菌やウイルスなどの異物(抗原を持つ病原体)が体内に入ってくると、リンパ液の中に存在しているさまざまな免疫細胞が、それらを排除しようと働いてくれるのです。

免疫は大きく「自然免疫」と「獲得免疫」の二つに分かれます。自然免疫は生まれつき備わっているもので、体に病原体が侵入してきたときに最初にそれらと闘ってくれます。マクロファージや好中球といった免疫細胞が病原体を攻撃し、病原体に感染した細胞に対してはナチュラルキラー細胞が対処してくれます。

マクロファージはヘルパーT細胞に「病原体はこんなヤツだったよ」と伝える役割も担います。

獲得免疫は後天的に得たもので、ヘルパーT細胞から指令を受けたキラーT細胞やB細胞が病原体を攻撃していきます。B細胞はヘルパーT細胞から指令を受けることによって抗体を作り出し、この抗体が病原体をやっつけるわけです。なお、B細胞は1度攻撃した病原体を記憶する性質のため、2度目に同じ病原体が入ってくるとすぐさま臨戦態勢に入ることができるようになります。そういう意味では、獲得免疫こそ、真の意味での「免疫」といえるでしょう。

なお、本書の「アレルギー」の項でも説明しましたが、免疫反応が過剰に反応してしまうことをアレルギーと呼んでいます。

関節リウマチ全身エリテマトーデスなどの膠原病(こうげんびょう)は「自己免疫疾患」とも呼ばれますが、これらもまた、アレルギー疾患(しっかん)です。

関連記事:「過剰な防御が原因!「アレルギー」はなぜ起きる?/やさしい家庭の医学」

 
◆◆コラム◆◆
「検査数値」はどのように見ればいい?

定期的に健康診断を受けることは大切ですが、その結果に一喜一憂するのは少し待ったほうがいいかもしれません。

健康診断には血液検査や血圧検査、尿検査などが含まれており、それらの結果を基準値で判断することになります。つまり、基準値内ならば正常で、それを上下する数値ならば異常とする捉(とら)え方です。

ところが、人の体というのは、健康診断を受けた時間帯や前日の状態(睡眠、食事、運動など)によって状態が左右されることもあるため、数値が基準値内だったからといって、自分の体が本当に大丈夫かどうかは100%分からないのです。逆にいうと、数値が異常だったのは、そのときの体質がたまたま悪かっただけといえなくもありません。

また、基準値には決まった一つの数値があるわけではなく、医療機関や分析機関によって異なっていますので、検査の結果が出たら、ひとまずその医療機関による基準値を参考にしてから考えたほうがよいでしょう。

 

次の記事「体を守る細胞が減っていく...「エイズ」治療は早期検査がカギ/やさしい家庭の医学(68)」はこちら。

関連記事「生が肝心!名医が推奨するカンタン免疫力活性化レシピ」はこちら。


中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。


 

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』

(中原英臣[監修]/KADOKAWA)

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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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