花粉症は日本人の4人に1人が罹っている国民病/やさしい家庭の医学

pixta_14729588_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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日本人の四人に一人が罹っている国民病
「花粉症」

●鼻汁やくしゃみが出る理由
一説によると、日本人の四人に一人が「花粉症」に罹(かか)っているといわれています。現在では、花粉症は日本人にとって国民病ともいえる状態にあるといえます。

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が鼻や目に入ることによって起こるアレルギー反応です。

アレルギー反応を引き起こす主な花粉には、スギやヒノキのほか、ブタクサ、カモガヤ、オオアワガエリ、シラカンバなどがありますが、そのほかの植物を含めると約六〇種類になるとも考えられています。

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症状としては、鼻汁、鼻づまり、くしゃみなどが挙げられますが、のどや皮膚のかゆみが伴ったり、下痢、発熱などの症状が見られることもあります。花粉症は、意外とやっかいな病気といえるでしょう。

花粉という異物(アレルゲン)が私たちの体内に入り、体がそれを排除すると判断した場合、体はこれと反応する物質をつくり出します。この物質は「IgE(アイジーイー)抗体」と呼ばれます。

この抗体ができたあと、再度花粉が体内に入ると、鼻や目の粘膜(ねんまく)に存在する肥満細胞の表面にある抗体と結びつきます。

すると、肥満細胞からはヒスタミンなどの化学物質が分泌され、花粉を体の外へ出そうとする働きが活発になり、鼻汁が出たり、くしゃみが連発して起こったりするのです。花粉症によって引き起こされる症状が、鼻汁であったりくしゃみであったりするのは、体の自然な反応なわけです。

花粉症の対処法についてですが、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を用いる対症療法や、スギ花粉のエキスを定期的に注射することによって体をアレルゲンに馴(な)れさせる根治(こんじ)療法などがあります。

前者は対症療法で、何年も花粉症に悩まされている人であれば分かると思いますが、花粉が飛び散る2週間前ぐらいから服用すると効果が高いようです。症状が重いときは、副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイドの内服薬や点鼻薬、点眼薬などが処方されます。

また、予防法としては、マスクやゴーグルの着用など、そもそも体内に花粉を入れないというものがもっともよいようです。また、外出から帰ったら、家に入る前にコートやズボンなどを手ではたき、花粉を落としておくのも効果的です。

花粉症には生涯罹(かか)らない人もいますが、突然発症するのが花粉症の特徴でもあります。発症する確率は、それまで体内に取り込んできた花粉の量に比例するともいわれます。冬の時期にニュースなどで発表される花粉情報でよく確認し、前もって対策を講じたほうがよいでしょう。

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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