「メタボリックシンドローム」と言われたら、生活習慣を見直すチャンス!/やさしい家庭の医学

pixta_22300862_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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内臓脂肪型肥満に二つ以上の症状が重なる

「メタボリックシンドローム」

●直訳すると「代謝異常症候群」

最近、テレビコマーシャルや雑誌などでよく目にする「メタボリックシンドローム」という用語ですが、これはいったいどのようなものなのでしょうか。

メタボリック(Metabolic)とは「代謝」のことで、シンドローム(Syndrome)とは「症候群」のこと。つまり、メタボリックシンドロームは、直訳すると「代謝異常症候群」ということになります。

一般的な定義によれば、メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうちのいずれか二つ以上を併せ持った状態をさします。

内臓脂肪型肥満は「リンゴ型肥満」とも呼ばれるもので、お腹の内臓の周りに脂肪がたまるタイプの肥満のこと。上半身に多くの脂肪がつき、中年男性や閉経後の女性に多く見られます。内臓脂肪型肥満かどうかを判断する一つのポイントは腹囲(へそのまわりで測る)で、男性で85センチ以上、女性で90センチ以上とされています。

内臓脂肪の量が増えると、血液中のブドウ糖や中性脂肪が増え、逆にアディポネクチンという動脈硬化を抑える働きをする物質が減るとされます。このことにより、動脈硬化や糖尿病、高脂血症になりやすいとされているのです。

メタボリックシンドロームにならないようにするためには、食事の量を控えたり、飲酒やタバコなどの摂取の機会を減らし、運動などを取り入れて体を健康に保つ努力をするほかはないでしょう。

ただし、一説によりますと、あまり肥満を意識し過ぎるのも問題とされます。つまり、やせ型だからといって病気の危険が避けられるというわけでもないということです。やせすぎは骨粗鬆症(こつしょうしょう)の危険因子になりますし、くも膜下出血においては、男性の場合、やせ型と標準型を比較したとき、やせ型のほうがリスクが高いという研究結果も報告されています(JACCStudyによる)。

 

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ですから、自身の体がメタボリックシンドロームにあてはまるからといって、すぐさま落ち込んだりする必要はないと考えられます。あくまで自身の健康を見直す一つのきっかけと考えればよいでしょう。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。


 

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』

(中原英臣[監修]/KADOKAWA)

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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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