脳の血管が詰まる!破れる! 死因No.4の「脳卒中」/やさしい家庭の医学

脳の血管が詰まる!破れる! 死因No.4の「脳卒中」/やさしい家庭の医学 pixta_29314630_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

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脳の血管に異常が生じ、細胞が死ぬ
「脳卒中」 

●かつては日本人の死因のトップ
脳卒中」とは、脳の血管に異常が生じ、血管が詰まったり破れたりすることによって、その先に栄養が行き届かなくなり、細胞が死んでしまう病気のことです。
脳卒中の発作が起こる原因にはいくつかありますが、代表的なのは脳梗塞(こうそく)、脳出血、くも膜下出血です。

脳梗塞は脳の血管が詰まることで血液が流れなくなり、その先の脳の組織が死んでしまうものをさします。脳梗塞は、動脈硬化や高血圧によって脳血管に血栓ができて詰まってしまう「脳血栓」と、心臓など脳以外の臓器でできた血栓や脂肪などが脳の動脈に流れて血管をふさぐ「脳塞栓(のうそくせん)」とに大別されます。

脳血栓は、血栓が血管に徐々に詰まることになるため、片方の手足に麻痺(ひ)が生じたり、ろれつが回らないなどの症状もだんだんと見られるようになります。
この場合は入院治療が必要で、症状が重い場合は手術を受けなければなりません。脳塞栓は脳血栓よりも症状が重く、発症後3時間以内に血栓を溶かす薬剤を使用するなどして治療が施されます。

脳出血は、脳の血管が破れることによって脳内で出血が起こること。脳溢血(のういっけつ)という言い方もされます。脳出血は突然起こるケースが多く、発症してから数時間後にはうまく話すことができなくなったり、手足が麻痺するといった症状が起こってきます。
重症になると24時間以内に昏睡(こんすい)状態に陥(おちい)り、そのまま死に至る場合もありますので、この場合は外科手術が行なわれます。比較的出血が少ない場合は、薬剤を使用した内科的治療が施されます。

くも膜下出血は、脳を覆っている3つの膜(内側から、軟膜・くも膜・硬膜)のうち、軟膜とくも膜の間にある動脈瘤(りゅう)が破れることで、膜と膜の間に血液があふれることによって脳全体が圧迫された状態になります。「突然バットで殴られたような痛み」とも表現されることがありますが、その痛みに伴い、嘔吐(おうと)や吐き気も起こります。そのうち意識がなくなり、死亡するケースも多々見られます。厚生労働省のデータによると、脳卒中による死亡者のうち、約10%がくも膜下出血が原因とされています。

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日本人は昔から脳卒中にかかりやすいとされ、1951年から1980年の間は日本人の死因のトップでした。現在ではその座をがんに明け渡しましたが、現在でも死因の4位に挙げられているほどです。
 
戦後になって、栄養状態の改善や塩分の摂取を控えるなどした啓蒙(けいもう)活動が功を奏したためか、徐々に脳卒中による死亡者は減りつつありますが、総患者数は約140万人ともいわれています。誰もがなりうる病気といえるでしょう。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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