「脳ドック」で発見! 脳梗塞、未破裂脳動脈瘤のリスク/健康診断

pixta_31359815_S.jpg自治体や職場などで、毎年受けている人も多い健康診断(健診)ですが、そういった検査で は、どの程度精密に病気を診断できるのでしょう? 医療法人社団・同友会理事長の髙谷典秀先生に、最新の健診事情を教えていただきました。

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頭部MRI+頭部MRA、頸動脈超音波で早期発見

突然起こる脳の病気の予兆を調べるためには、頭部MRIと頭部MRAの検査に、頸動脈超音波を組み合わせるのがおすすめです。頭部MRIでは、脳の構造を鮮明に写し出し、脳梗塞や脳腫瘍などの病変の有無を確認します。断層像から、病変部の位置や範囲を目で見て判定できます。

頭部MRAでは、脳内の血管を立体的に画像化し、くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤をチェックします。また、動脈瘤のスクリーニング(ふるい分け)検査にも適しています。また、頸動脈超音波検査では、頸部前側の左右両方にある頸動脈を調べます。頸動脈は、脳へと血液を送る重要な血管です。そのため、脳梗塞のリスクを調べるのにも役立ちます。

 

◆頭部MRI+頭部MRA検査
脳の検査を行ういちばんの目的は、脳梗塞と、くも膜下出血のリスクとなる未破裂脳動脈瘤の早期診断です。脳梗塞はMRIで、未破裂脳動脈瘤はMRAでそのリスクを調べられます。どちらも早期に発見しておくことで重症化の予防に努められます

●費用の目安(自費の場合)
頭部MRI/1~3万円
頭部MRA/1~3万円
●検査時間
頭部MRI+頭部MRAで15~20分

 

<脳梗塞>
脳の中の血管が詰まって起こる病気。中でも注意したいのが、無症候性の脳梗塞。無症状のため、検査で診断が出ても放置しがちですが、小さな脳梗塞が増えることで血管性認知症のリスクも高まります。高血圧、過度な飲酒、喫煙など、危険因子が多い人は特に注意が必要です。1805p052_02.jpg

 

<脳動脈瘤>

脳の中の比較的太い血管にできる瘤(こぶ)で、多くは無症状です。ですが、破裂するとくも膜下出血を引き起こし、生命に関わることもあります。必ずしもすぐに手術が必要なわけではなく、大きさや形状、部位によっては経過観察が妥当と判断される場合も少なくありません。

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1805p052_01.jpg○=病変の発見に適しています。△=時に病変の発見に役立ちます。

 

取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/やまだやすこ

 

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取材・文/笑(寳田真由美) 

<教えてくれた人>
髙谷典秀(たかや・のりひで)さん

医療法人 社団・同友会理事長、日本人間ドック健診協会理事、医学博士。年間50万件を超える健診を実施し、多くの企業健保組合の産業医、保健指導業務の支援を行う。

この記事は『毎日が発見』2018年5月号に掲載の情報です。
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