世界に存在するCTやMRIの3分の1が日本にある!/9割の病気は自分で治せる!(7)【連載】

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毎週水、木曜更新!

健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。

病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?

 

世界の3分の1のCT、MRIを所有し、20%の薬を消費

今の日本の医療制度は、医者の技術料がとても安く設定されています。以前はそれでも、技術料を安くする代わりに医者は薬で儲けろという暗黙の了解がありました。しかし、政府はその暗黙の了解を反故にしながら、なおかつ技術料は安いまま据え置きにしています。いきおい、医者は薄利多売のもと、検査や指導料で稼ぐしかないという状況です。

そのような理由もあり、検査を勧める医者が多いのは確かです。それはある意味では自然な流れで、結果として、不必要な検査が増えてしまいます。

その背景には、日本人の検査好きもあるかもしれません。「念のため検査しましょう」という言葉に弱く、このように言われると、大抵の人はすぐに応じてしまいます。

驚くべきことに、日本には、世界に存在するCT(体にエックス線をあて、そのデータをコンピュータで解析し、人体の輪切りの画像を映し出す装置)と、MRI(磁力で人体の輪切りの画像を映し出す装置)の3分の1があります。

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こんなにたくさん必要なわけがありません。しかし技術料で収入が見込めないのならば、せめて最新の設備をそろえておかなければ患者さんも集まりません。そうすると、多大な設備投資を回収するため、必要があってもなくても、一定数の検査をこなさなければ経営が成り立たなくなるのです。このような経緯で、患者さんにしわ寄せがくるのです。

もっとも、検査のすべてが不必要というわけではなく、大いに役立っている部分もあります。しかしその裏で、稼働率を上げるためだけの検査が行なわれているのも事実です。

世界に存在するCTやMRIの3分の1が日本にあるという事実を、多くの国民が知らないというのは問題ではないでしょうか。

薬の乱用もそうです。世界に出回っている薬の20%強を日本人が消費しているという事実も、あまり喧伝されていません。これは由々しき事態です。

この異常な現象を、政府はおろか、メディアも真剣に取り上げようとはしません。そして何よりも、日本国民自体がおとなしすぎることも、大問題だと思います。

岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。

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「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)

文庫で大好評を博したベストセラー『9割の病気は自分で治せる』3部作のエッセンスを抽出し、読みやすく再構成したベスト版。自分の力で健康を保つための考え方&方法が満載です。

 
この記事は書籍「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」(KADOKAWA)からの抜粋です。

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