毎日、熟睡できていますか? 睡眠が大事とわかってはいても、年齢が上がるとともになかなか寝付けなかったり、途中覚醒してしまうことも...。熟睡の習慣のカギを握るのは、「オレキシン」「レプチン」「グレリン」といった神経伝達物質です。いずれも摂食行動もコントロールするホルモンなので、睡眠と食事には大きなかかわりがあります。まずは食習慣を改善し、睡眠力を高めましょう。脳神経外科医・医学博士の奥村 歩(おくむら・あゆみ)先生にお話をうかがいました。
この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2024年10月号に掲載の情報です。
脳と体が若返る!すぐに試したい食事のポイント9
空腹のまま就寝しない
空腹時は、空腹ホルモン「グレリン」がオレキシンを活性化させて「覚醒せよ」の指令が出るため、なかなか眠れなくなります。「就寝前に空腹を感じたら、適度に食べることは悪いことではありません。寝る1時間ほど前に血糖値を緩やかに上げるものを少しだけ食べたほうが寝つきはよくなります」と、奥村先生。チーズやヨーグルト、ナッツ、キウイフルーツ、いちごなどがおすすめです。
動物性・植物性のたんぱく質をしっかり摂る
オレキシンを抑制し、睡眠の改善につながるレプチンを増やすには、たんぱく質をしっかり摂ることが大切。「ポイントは、動物性、植物性のたんぱく質をバランスよく摂取すること」と、奥村先生は話しています。肉ばかりでなく、魚、卵、チーズ、豆類などをまんべんなく食べましょう。レプチンは食欲を抑制するため、質の良い睡眠だけでなく、ダイエットにもつながります。
「地中海ダイエット」を意識する
「地中海ダイエット」はギリシャのクレタ島の伝統的な食事法。アルツハイマー型認知症のリスクを軽減する食事法としても有力視されています。「穀類や豆類、野菜、魚をよく摂り、カロリーや動物性脂肪の摂取量は控えめ。伝統的な和食とほぼ同じバランスです」。日本人は、不足しがちな乳製品を少し多めに摂るとよいそうです。