加齢に伴い発症しやすくなる「緑内障」。原因や治療法を眼科医の谷戸正樹先生が解説

あなたの緑内障はどのタイプ?

緑内障はタイプによって対処法も変わるので、「隅角検査(※1)」を受け、自分の緑内障のタイプを知ることがとても重要です。

原発開放(げんぱつかいほう)隅角緑内障

隅角が狭くなってはいないが、房水の出口である「線維柱帯」で房水が排出されにくくなって、眼圧が高くなっているものと、眼圧が高くならないものがある。眼圧が正常範囲内であれば、「正常眼圧緑内障」とも呼ばれる。日本人の多くはこのタイプ。

原発閉塞(げんぱつへいそく)隅角緑内障(※2)

隅角が狭くなったり塞がったりすることで房水が流れにくくなり、眼圧が上昇するタイプ。高齢女性に多い。目の痛みや吐き気などの発作が起こることがある。白内障が原因になっていることも。急激に眼圧が上がることがあり、治療が遅れると短期間で失明に至る。

続発緑内障(※2)

糖尿病など全身の病気や緑内障以外の目の病気、ステロイド薬の使用などにより眼圧が上昇することで発症する。高齢者の場合、「落屑(らくせつ)緑内障」が最も多い。細かな塵のようなものが隅角にたまって眼圧が上昇する。進行が早く失明に至ることも。

※1  鏡のついた特殊なコンタクトレンズを目にのせて、隅角の状態を観察する検査。
※2 「原発」は、何らかの病気によって引き起こされるものではなく、自然に発症するタイプ。「続発」は、全身の病気や薬物の使用などが原因となるタイプ。

あなたに合った対処法はどれ?

緑内障の対処法は、緑内障のタイプの他、年齢、目の状態、今後の生活などを踏まえて決められます。緑内障を発症したら、第一選択肢として検討する対処法をご紹介。

加齢に伴い発症しやすくなる「緑内障」。原因や治療法を眼科医の谷戸正樹先生が解説 2402_P074-075_04_W500.jpg

<治療しない>
経過観察
該当するタイプ:原発開放隅角緑内障(初期段階かつ眼圧が高くない人に限る)

急いで治療を始める必要がない場合は、定期検診で目の状態や傾向を把握し、必要に応じて治療法を決める。緑内障を患っている人の多くはこのタイプ。

<治療する>
薬物治療
該当するタイプ:原発開放隅角緑内障、続発緑内障

眼圧を下げる目薬(点眼薬)を使用する。房水がつくられるのを抑えるものと、房水の排出を促すものがある。レーザー治療より効果は高いが、点眼の煩わしさや、副作用で角膜に傷がついたりアレルギーが出たりする恐れがある。

レーザー治療
該当するタイプ:原発開放隅角緑内障

レーザーを隅角に当てて、線維柱帯の目詰まりを解消して房水の流れをよくする。薬物治療より効果は薄いが、薬物治療のデメリットをカバーする治療法として注目されている。

手術治療
該当するタイプ:全てのタイプ

眼球の一部を切開するなどの手術で房水の排出を促す。原発閉塞隅角緑内障では、白内障の手術が第一選択。緑内障のタイプによって異なる手術法がある。

取材・文・構成/古谷玲子 イラスト/片岡圭子


 

<教えてくれた人>

島根大学医学部 眼科学講座教授
谷戸正樹(たにと・まさき)先生

1996年島根医科大学(現・島根大学)医学部卒業。京都大学大学院、松江赤十字病院眼科部 部長などを経て、2018年より現職。緑内障難症の治療装置を民間企業と共同開発するなど、緑内障治療の研究を行う。

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