加齢に伴い発症しやすくなる「緑内障」。原因や治療法を眼科医の谷戸正樹先生が解説

緑内障は視神経に異常が生じ、視野が欠ける病気で、進行すると失明に至ることもあります。自覚症状が乏しいため、早期発見が重要で特に40歳以上は年1回の眼科検査が推奨されます。今回は島根大学医学部の教授でもある谷戸正樹先生にお聞きしました。

この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年2月号に掲載の情報です。

主な原因
・加齢
・近視
・眼圧の上昇

主な治療・改善法
・経過観察
・薬物治療
・レーザー治療
・手術治療

緑内障はどうして起きる?

緑内障は、何らかの原因で視神経に徐々に異常が起こり、視野が欠ける病気です。

視神経は目から入った情報を脳に伝える役目がありますが、異常が起こるとその部分に対応する視野が欠け、進行するにつれて徐々にその範囲が広がっていきます。一度、異常が起こった視神経を元の状態に戻すことはできません。厄介なのは視野が欠けていても自覚しにくいことです。目の視野が少し欠けていても、もう片方の目からの情報で脳がカバーしてしまうからです。逆にいうと、自覚症状があるときにはすでに相当進んだ状態で失明に至ってしまうこともあります。進行を食い止める方法はあるので、早い段階で発見することが大切です。40歳を過ぎたら年1回程度、眼科で検査を受けましょう。

緑内障の原因は加齢によるものが最も多いといわれています。加齢によって視神経の細胞が減少するためです。加齢で発症する病気に白内障もありますが、大きな違いは自覚症状の有無です。

緑内障の主なタイプは3つです。緑内障のタイプを知ることは、治療法を決めることにも繋がります。

日本人に最も多いのは、眼圧が正常範囲内であるにもかかわらず視神経に異常が起こる「正常眼圧緑内障」です。男女比1対9の割合で高齢女性に多く見られるのは、「原発閉塞隅角緑内障」です。白内障が原因のこともあり、白内障の手術が有効です。また、「落屑緑内障」は高齢者に多く見られます。冬に眼圧が高く、夏に眼圧が低くなる特徴があり、進行が早く失明に至ることもあります。

緑内障の治療は、緑内障のタイプや原因、生活様式などに合わせて選択されます。治療をすぐに開始しないケースもあります。その場合でも進行のスピードを確認し、治療の開始時期や治療法を見極めるために、定期検診が重要です。

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房水
目の毛様体でつくられる液体。角膜や水晶体、硝子体などの血管のない組織に栄養を運ぶ役割がある

線維柱帯(せんいちゅうたい)
網目状の組織で眼球内の房水を排出することで眼圧を調整している

隅角(ぐうかく)
角膜と虹彩が交わる部分

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<教えてくれた人>

島根大学医学部 眼科学講座教授
谷戸正樹(たにと・まさき)先生

1996年島根医科大学(現・島根大学)医学部卒業。京都大学大学院、松江赤十字病院眼科部 部長などを経て、2018年より現職。緑内障難症の治療装置を民間企業と共同開発するなど、緑内障治療の研究を行う。

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