インプラント、ブリッジ、部分入れ歯。「3種類の義歯」の違いを和田淳一郎先生が解説

主な特徴

<ブリッジ>

インプラント、ブリッジ、部分入れ歯。「3種類の義歯」の違いを和田淳一郎先生が解説 2402_P073_03.jpg保険適用:○

治療本数:×
欠損数が多いと不可

見た目:△
比較的優れている。保険適用外の素材を使えば天然歯に近い仕上がり

装着時の異物感:△
ほぼなし

治療の大変さ:○
外科手術は不要

周囲の歯や骨への影響:×
ブリッジの支えとなる両隣の歯を、健康であっても削る必要があり、咀嚼(そしゃく)時に負担がかかる

良い点:
支えている歯の健康状態が良く、手入れが行き届いていれば、部分入れ歯よりしっかりかめ、長持ちすることが多い

不向きな場合:
両隣の歯が歯周病や虫歯で弱っている場合は装着不可(神経を取った歯でも状態が良ければ支えとして使える場合も)

<部分入れ歯>

インプラント、ブリッジ、部分入れ歯。「3種類の義歯」の違いを和田淳一郎先生が解説 2402_P073_02.jpg

保険適用:○

治療本数:○
欠損数が多くても可能

見た目:×
両隣の歯に掛けるための金具が目立つ場合がある

装着時の異物感:×
異物感が強め

治療の大変さ:○
外科手術は不要

周囲の歯や骨への影響:△
金具を掛ける両隣の歯に負担がかかるが、離れた歯に支えを求めることができる

良い点:
後日、他の歯に問題が生じた場合、部分入れ歯を修理することで継続使用可(事前に部分入れ歯の設計の工夫が必要)

不向きな場合:
金属アレルギーの人は歯科医師と相談を。金具のない部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」もあるが、保険適用外

<インプラント>

インプラント、ブリッジ、部分入れ歯。「3種類の義歯」の違いを和田淳一郎先生が解説 2402_P073_01.jpg

保険適用:×

治療本数:○
欠損数が多くても可能

見た目:○
天然歯に近い

装着時の異物感:○
なし

治療の大変さ:×
外科手術が必要

周囲の歯や骨への影響:○
抜歯した部分の骨に負担がかかるが、周囲の歯や骨への負担は皆無

良い点:
抜歯した部分の骨の状態が良く、手入れが行き届いていれば、3種類の義歯の中で最も長持ちする可能性が高い

不向きな場合:
抜歯したあごの骨の状態が良くない場合や、手術による全身への負担が大きいと判断された場合は装着不可のことも

<達人のツボ②>
インプラントでも歯周病になる

インプラントを入れた箇所に起こる歯周病が「インプラント周囲炎」です。一般的な歯周病と同じく、歯垢や歯石に潜む歯周病菌によって起こり、インプラントを支えるあごの骨を溶かしてしまいます。一般的な歯周病よりも早く進行し、場合によってインプラントを取り除かなくてはいけないことも。予防には、定期的なメンテナンスと正しい歯磨きが重要です。

装着後の管理も大切

<義歯の清掃を適切に>

義歯の清掃は、義歯を長持ちさせ、周囲の歯の健康を守るために不可欠。自身による歯磨きだけでは不十分となりがちなので、義歯の微調整やかみ合わせの確認などと合わせ、歯科医院で定期的にクリーニングを。

<定期的に検診を受ける>
歯科検診は、歯のトラブルを早く見つけて抜歯を避け、義歯を使っている場合は長く良い状態を保つためにも大切です。3カ月~半年ごとを目安に近隣の歯科医院で受けるようにしましょう。2020年から歯周病や虫歯がなくても保険が適用され、歯周病や虫歯のチェック、歯垢や歯石の除去、歯磨き指導などを合わせ、1回3000~5000円程度です(料金などは事前に歯科医院に確認を)。

構成/岡田知子(BLOOM) 取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

東京医科歯科大学  生体補綴歯科学分野  講師
和田淳一郎(わだ・じゅんいちろう)先生

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻口腔機能再構築学講座 生体補綴歯科学分野講師。歯学博士。2006年、東京医科歯科大学卒。同大病院回復系診療科義歯外来などを経て23年より現職。

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