以前は大丈夫だったのに、歳を重ねていくうちに足の冷えや痛みなどが出てきていませんか? それは、血管の老化のサインのひとつがあらわれたもの。そんなサインに気付いたら、血流を良くする行動を習慣にして、全身の血管を若返らせましょう。
※この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年1月号に掲載の情報です。
【前回】肌年齢や動脈硬化の改善に! 「足の健康チェック法」と「足の血管力」アップ体操【医師・池谷敏郎先生が指南】
血管"若返り"習慣
歩いてNO(エヌオー)を出す
血管の若返りには、血管内皮細胞から分泌される一酸化窒素(NO)の働きが欠かせません。
「NOは、血管をしなやかに広げて、血流を良くしてくれます。NOを増やすことは、血管若返りの近道です」と、池谷先生。
歩くことで足の血流が増えると、NOもたくさん分泌されます。
「血管が喜んでいると思いながら歩くといいですね」
<NOの3つの効果>
・血栓の予防
血管が詰まる原因となる血栓ができにくくなります。
・血管の修復
血管の炎症が抑えられて、傷ついた血管が修復されます。
・血圧が安定する
血液の流れがスムーズになることで血圧が下がりやすく。
いまよりも動く
歩くことや体操は苦手という人は、「こまめに掃除をする」「テレビは立って観る」など、「動きグセ」をつけるといいと池谷先生。「こま切れでもいいので、1日合計30分を目安に動けば、血管の若返りが期待できます」
体操で血管力アップ
NOの分泌を増やそうと思ったら、体を動かすのが一番。「手をギュッと握ってパッと開くだけでもNOは増えますが、できれば全身運動がおすすめです。なかでも、全身の筋肉の7割が集まる足(下半身)を動かすと、最も効率よくNOを増やすことができます」(池谷先生)
スリッパを履く
「硬い床の上での裸足生活は、足に負担がかかります。家の中ではスリッパを履いて足裏を守ってあげてください」と、池谷先生。サイズの合わないスリッパは転倒のリスクにもなります。足にしっかりフィットするものを選ぶようにしましょう。
糖質は少し控える
食事で特に気を付けたいのは、ついつい多く摂ってしまいがちな糖質だと池谷先生。「糖質は多過ぎず、少な過ぎず、上手に摂ることが大切です。摂り過ぎだと思う人は、ご飯やパンをいまの半分にする。ご飯のおかわりをやめるなどの工夫を」