頭痛や耳鳴り、動悸があったら「自律神経失調症」を疑って/やさしい家庭の医学

pixta_8918566_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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自律神経に異常をきたす心理的な病気

「自律神経失調症」

●心理的・社会的ストレスなどが原因

自律神経とは、心臓を動かしたり、汗をかいたりなど、自分の意思ではコントロールすることができず、自動的に働く神経のことをいいます。自律神経は、活動する神経といわれる交感神経と、休む神経といわれる副交感神経とに分かれ、必要に応じて使い分けられています。「自律神経失調症」とは、この自律神経に異常をきたしている状態のこと。頭痛や耳鳴り、動悸(どうき)、食道のつまり、手足のしびれ、多汗、肩こり、生理不順など、全身のあちこちに症状が見られるようになります。

ところが、内科や婦人科へ駆け込んだところで、とくに異常が見られないケースがほとんどです。

自律神経失調症の症状としては、前述のような「不定愁訴(ふていしゅうそ)」(全身にさまざまな自覚症状が現れること)が特徴となっています。

 

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原因として挙げられるのは、心理的ないし社会的なストレスによるものです。具体的には、仕事や学校などにおける人間関係や転職による環境の変化のほか、夜更(よふ)かしなどの生活習慣の乱れなどですが、そのほか、他人の目が非常に気になったりする性格や、ノーといえない性格、下痢したり嘔吐(おうと)しやすい体質(生まれつき自律神経が過敏に反応する)などを持っている人も、比較的この病気に罹(かか)りやすいといえるでしょう。

また、女性の場合、女性ホルモンの影響も考えられます。女性ホルモンは一生を通じて変化していますので、この変化が自律神経に影響を与えているとも考えられています。

このように、自律神経失調症には心理的な原因が認められるため、心理療法やカウンセリングなどが治療には有効となります。

抗うつ剤や抗不安薬など、薬物療法による治療によって心の負担を軽減する方法もあります。

はじめに内科や婦人科で診察してもらっても異常がない場合、神経科や心療内科を紹介してくれるケースも出ていますので、そのアドバイスに従うのもよいでしょう。

また、動悸やめまいなどの症状が自律神経失調症によるものではない場合もありますので、ほかの症状として何が現れているのか、医師にしっかりと伝えることが重要です。

ですが、自然に治すには、やはり生活習慣の改善や適度に休養を取ることが必要でしょう。日常生活をできるだけリラックスしてすごすよう、心掛けてください。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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