もの忘れが多い、やる気が出ない...そんなアナタの脳を健康に保つための習慣とは?

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なんだか物忘れが多い、集中力がなくなる、やる気が出ないといった困りごとはありませんか?  その悩み、脳をときめかせることで解決できるかもしれません。これまで1万人以上の脳の病気の患者さんをみてきた脳神経外科専門医の築山節先生に、その秘訣を教えていただきました。

脳の正しい扱い方を知って、一生枯れない脳を手に入れましょう


「脳は大別すると、生きる中枢の脳幹、感情や欲望の中枢である大脳辺縁系、理性の中枢である大脳新皮質の三層があります。」(築山先生)。

【生命の土台となる「脳幹」】

眠りと覚醒、心臓、呼吸、自立神経などの中枢があり、生命を維持するための土台。脳機能にとって最も大切なのは、この脳幹の機能を正常に保つことです。

【感情を司る「大脳辺縁系」】

欲望と感情に関わる情報処理の中枢。記憶と空間認識の機能に関係する海馬や偏桃体を含みます。大脳新皮質と双方向に通信することで、今それを行うべきことか否かという情報を受け取り、機能的に制御します。

【理性を司る「大脳新皮質」】

理性の中枢。なかでも前頭葉は、複雑で高度な認知機能を発揮する脳の最高司令官。「考える力」を一手に担い、変化する世界に対応しています。「これらを扱うには、常に脳を安定させておく努力が必要です。脳というのは、自然と安定しているのではなく、努力を怠ればすぐに不安定になるもの。まずはこれを覚えておきましょう」(築山先生)。

では、脳を安定させるにはどうしたらよいのでしょう?「脳が安定しているとは、自分をいかにコントロールできているかということです。そのためには、脳の正しい扱い方を知りましょう」(築山先生)。

脳を枯らさないための3ステップ

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幾つになっても健やかな脳を維持するためには、脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質の3つを健康に保つ方法を身に付けることが大切です。そこで、築山節先生に、脳のためにできる習慣づくりを3つのステップで教えていただきました。

1)脳幹を健康に保とう

まずは脳幹を健康に保つこと、体重は常に一定に保つことが基本です。それには、きちんと起きて規則正しく食事をとり、同じ時間に眠ります。簡単ですが、これが習慣づいていないと脳の健康は守れません。「寝る時間に合わせて食事や入浴をして体を温めるようにすると、よく眠れるようになりますよ」(築山先生)。

2)予想外のことを減らそう

次に、大脳辺縁系が司る感情のコントロールのため、"予想外のこと"を減らします。「周りの人と相談して予定を立て、空いた時間を調整すれば、思いもかけないことはそれほど起きません。これは脳の安定のためにぜひ行ってください」「知り合いをきちんと作っておくことも大切です。心を許せる友人はもちろん、離れた世代の人との付き合いもいい刺激になります」「大脳新皮質の一部である前頭葉を活性化することで、大脳辺縁系の異常興奮を抑えることができると分かっています。くるくると休むことなく考えを巡らせている前頭葉を活性化するには、実は瞑想や座禅のような"いま、この場だけを感じる"トレーニングが有効です」(築山先生)。

3)大脳新皮質を育てよう

最後に、脳の活性化には大脳新皮質の育成が欠かせません。「大脳新皮質を育てるポイントは多々ありますが、なかでも大切なのは、脳をきちんと休ませることだと覚えておきましょう」「睡眠時間は、脳が情報整理を行う時間。新しい情報は入らず、要らない情報はどんどん消去されます。脳の休息・整理の時間です」「生活に執着していると、次第にその状況から抜け出しにくくなります。だからこそ、あえて変化を設けて大脳新皮質の一部である前頭葉を鍛えましょう。脳は出力まで行って初めて、前頭葉を使ったことになります。例えば、友人との会話で新たな知識を得たならば、それを誰かに話したり、ノートに記したりすることで出力ができます」(築山先生)。

脳を活性化させたい人、長く健康を維持したい人は、今日から取り組んでみましょう。

もの忘れが多い、やる気が出ない...そんなアナタの脳を健康に保つための習慣とは? 築山 節(つきやま・たかし)先生
<教えてくれた人>
築山 節(つきやま・たかし)先生
公益財団法人河野臨牀医学研究所附属北品川クリニック所長。脳神経外科専門医として数多くの診断治療に携わる。主な著書に『定年認知症にならない 脳が冴える 新17の習慣』(集英社)、『脳と気持ちの整理術』(NHK出版 生活人新書)など。
 

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