3つのステップで頭を活性化! ときめき脳はつくれます/ときめく脳活最前線(3)

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幾つになっても健やかな脳を維持するためには、脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質の3つを健康に保つ方法を身に付けることが大切です。そこで、築山節先生に、脳のためにできる習慣づくりを3つのステップで教えていただきました。脳を活性化させたい人、長く健康を維持したいと人は、今日から取り組んでみましょう。

前の記事:「〝脳を枯らさない″ために、今日からできることとは? ときめく脳活最前線(2)」はこちら。

  

まずは

【生命の土台"脳幹"を守りましょう】

●毎日、同じ時間に寝て、起きる習慣づけを
「脳幹を守る=脳幹に負荷をかけないこと。それには、体内時計が正しく働くことが大切。まずは同じ時間に起きて寝ること。子供の頃は朝きちんと起きて昼間に活動し、夜になると寝ましたよね。これは長い期間かけて人間が作り出した習性です。寝る時間に合わせて食事や入浴をして体を温めるようにすると、よく眠れるようになりますよ

●体重は、常に一定に保つことが基本です
「私は毎朝体重を測ってからその日の食事や運動を調節します。適正な体重を保つことは、年を重ねて変化した体内環境を正確にモニタリングできているということ。これは脳幹の働きがきちんと保たれているからこそできることです。自分の体質の変化を理解して、年齢に合った食事の習慣を身に着けてください

  

次に

【"大脳辺縁系"を制御して心をコントロール】

●時間割をつくって、"予想外のこと"を減らします
「学生時代は時間割があることで脳を自然と安定させることができました。実は人間にとっていちばんのストレスは、次に何が起こるか分からないことです。ですから、予想外のことは減らさねばなりません。おおざっぱでよいので、まずは5日分ぐらいの予定をたてて、それができたか確認するよう習慣づけてください」

●心の支えとなる友人は、複数、持つようにしましょう
「知り合いをきちんと作っておくことも大切です。心を許せる友人はもちろん、離れた世代の人との付き合いもいい刺激になります。できれば年代別の知り合いをもてるといいですね。日常的に5人以上の人間関係を保つよう心がけてください。自分の関係するフィールドを意識して広げることが友人づくりの秘訣です」

●前頭葉を活性化して、ときめき力をアップさせます
「大脳新皮質の一部である前頭葉を活性化することで、大脳辺縁系の異常興奮を抑えることができると分かっています。くるくると休むことなく考えを巡らせている前頭葉を活性化するには、実は瞑想や座禅のような"いま、この場だけを感じる"トレーニングが有効です。そういった時間を意識してつくってみましょう」

  

仕上げ

【"大脳新皮質"を育てて、一生枯れない脳に】

●脳の休息をしっかりととりましょう
「前頭葉は、中枢神経をコントロールしてどう制御するかを指示します。その前頭葉にベストな働きをさせるには、脳をきちんと休ませることが大切。そのためには脳幹を守ると同様に、睡眠が重要。睡眠時間は、脳が情報整理を行う時間。新しい情報は入らず、要らない情報はどんどん消去されます。脳の休息・整理の時間です」

●思考のピークは1日2回、1回10分‼
「人にはもともとできることに限界があります。また、集中力が続くのはわずか10分程度。それゆえ、物事を何でも自分でしなくてもいいという発想の転換が必要です。時には、隣にいる人に意見を求めたり、携帯電話の録音機能などを利用して記録は機械に任せたり。最優先事項のために脳を使う工夫をしましょう」

●「昔できたから...」という言葉とは、お別れします
「脳を健やかに保つには、過去の成功体験などにとらわれてはいけません。そういったことにとらわれていると、それが大きな障壁になって新しい情報を受け入れにくくなります。脳は使わなくなるとやせていくもの。やがてそれは枯れて元に戻らなくなるでしょう。ですから、常に使い続けることが大切なんです

●あえて変化を入れることで、前頭葉の対応力を鍛えます
「生活に執着していると、次第にその状況から抜け出しにくくなります。だからこそ、あえて変化を設けて大脳新皮質の一部である前頭葉を鍛えましょう。その際は、"友人との会食を増やす"など、変化はなるべく小さくします。次に何が起こるか予見できれば、脳へのストレスは少なくなり、生活に組み込みやすくなります」

●脳を使うには、話す、書くなど、出力が大切です
「脳は出力まで行って初めて、前頭葉を使ったことになります。例えば、友人との会話で新たな知識を得たならば、それを誰かに話したり、ノートに記したりすることで出力ができます。そうしたことを続ければ、前頭葉がしっかりと働いていることが分かると思います。出力は脳が枯れずに育つ最も大切な原則です

●毎日の決まり事をつくって、考える課題は減らします
「脳が、常に冴えた状態を保つためには、感情をコントロールすることが欠かせません。怒りでいっぱいなとき、冷静な答えを出すことは難しいでしょう。そんなときには、問題事項を紙に書き出してみてください。書き出すことには時間がかかるため、考える余裕が生まれるだけでなく、頭を冷却させる時間もつくれます

  

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<教えてくれた人>
築山 節(つきやま・たかし)先生
公益財団法人河野臨牀医学研究所附属北品川クリニック所長。脳神経外科専門医として数多くの診断治療に携わる。主な著書に『定年認知症にならない 脳が冴える 新17の習慣』(集英社)、『脳と気持ちの整理術』(NHK出版 生活人新書)など。
 
この記事は『毎日が発見』2017年9月号に掲載の情報です。

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