食べたものが「立派なうんち」になるまで

pixta_17601889_M小.gif排泄物である、うんち。通常、我々がこれをありがたがることはありませんが...。
「うんちは、毎日の健康状態を的確に教えてくれるもの。色やにおい、回数、量をみることで、病気のリスクも評価できる、究極の個人情報です」
こう語るのは、慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授である、福田真嗣先生。

前編「体の情報や健康のヒント満載な「うんち」の正体とは!?」はこちら。

私たちはどうやら、うんちという存在を見直さなければならないようです。そこで、まず私たちが食べたものが立派なうんちになるまでを、おさらいしてみましょう。


1.【口】
食べ物が咀嚼(そしゃく)によって細かく砕かれることで、唾液と混ざり合います。唾液には、アミラーゼという消化酵素が含まれ、この働きにより食べたものが消化吸収されやすくなります。

2.【食道】
口から胃への通り道。ここでは消化吸収は行われません。

3.【胃】
口で細かく噛み砕かれて、アミラーゼが混ざった食べ物をさらに溶かします。胃液には、ペプシンという消化酵素が含まれており、このペプシンによって、食べ物の中のタンパク質の一部が分解されます。胃液は強い酸性なので、この溶液の中では、食べ物の中にいた菌や、付着していた菌の多くは死滅します。しかし、食べ物によって薄まってしまった胃液の中では、菌の一部が生き残り、下部消化管へと流れます。

4.【十二指腸】
胃で溶かせなかった脂肪分はここで処理されます。肝臓から分泌される胆汁、すい臓から分泌されるすい液が食べ物に混ぜられ、脂肪分は乳化されてドロドロに。胆汁に含まれるビリルビンという色素により、うんちはそれらしい色になっていきます。

5.【小腸】
食べ物が早く通過する前半部の空腸、食べ物がゆっくり通過する後半部で回廊状の回腸からなる全長67mの消化吸収管があります。十二指腸でドロドロになった食べ物の栄養素の多くはここで吸収されます。

6.【大腸】
大腸は、前半部の結腸と後半部の直腸からなります。結腸はさらに上行(じょうこう)結腸、横行(おうこう)結腸、下行(かこう)結腸、S状結腸からなります。この大腸で、いよいようんちが完成。小腸で消化吸収されなかった水分、食物繊維などが運ばれてきます。上行結腸で水様状、下行結腸で水分が吸収されて半流動状となり、S状結腸で固まり、直腸に至るころには引き締まったうんちになります。

うんちの大部分は腸内細菌。将来、健康で幸せに暮らすための情報がたっぷり! うんちは茶色い宝石! そんな意識を持ってみてもいいかもしれません。

次の記事「色・形・ においは...? 知っておきたい自分の「うんちのタイプ」」はこちら。

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<教えてくれた人>
福田真嗣(ふくだ しんじ)先生

腸内環境研究者。慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任准教授。(株)メタジェン代表取締役社長CEO。
1977年、茨城生まれ。2006年、明治大学大学院農学研究科を卒業後、理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て、2012年より現職。2015年より科学技術振興機構先駆け研究者、2016年より筑波大学医学医療系客員教授、2017年より神奈川県立産業技術総合研究所グループリーダーを兼任。

この記事は『毎日が発見』2016年6月号に掲載の情報です。
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