色・形・ においは...? 知っておきたい自分の「うんちのタイプ」

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みなさんは、排泄後の「うんち」をしっかり観察していますか?

前編「食べたものが「立派なうんち」になるまで」はこちら。

「うんちの観察は、できれば毎日行ってください。一瞬見るだけでも、毎日続けられれば、体に異変があったときに気づくことができます。なかでも特に気をつけたいのは、色とにおい。生まれてから見たことのない色のうんちや、嗅いだことのないにおいを感じたら、医療機関で検査を受けることをおすすめします」。こう語るのは慶應義塾大学先端生命科学研究所福田真嗣先生。

うんちをチェックする際のポイントは、色、形、におい、回数、量。うんちの色は、黄褐色っぽいものが健康的。食べ物がうんちになるまでの間に、胆汁が正常に分泌され、その後の過程で血液など別の色のものが混ざらなかった証しといえます。形は水分量によって異なります。

最も軟らかいのは水様状のもの。ジャーッと滝のような下痢便が出る場合、感染症の疑いが。水様状ではなく、軟便ぐらいであれば心配ありません。ただし、水様状のうんちや軟便と一緒に、ぽろぽろと日焼けした皮がむけたようなものが排せつされた場合は、腸内環境があまりよくない状態というサイン。原因は主に脂肪の取り過ぎで、消化吸収しきれなかった脂肪が常温で固形化し、便として排せつされているのだとか。

一方、硬い便もいい状態ではありません。色も黒っぽく、大半は便秘状態。発酵食品や食物繊維の多い雑穀類、整腸作用のあるヨーグルトなど、腸のバランスが整う食生活を心がけましょう。



●押さえておきたい「うんちのタイプ」チェックポイント

便の色は【何色?】
うんちの色は大腸の通過時間でおおよそが決まります。通過時間が短いほど明るい黄色で、長くなるほど黒褐色に。黄褐色から茶褐色までは、健康な便と考えて問題ないでしょう。

便の【形は?】
水分量7080%で、バナナ状の形をした便が12本程度スムーズに出て、肛門を拭かなくてもいいくらいが理想的。水様状ではなく、半練り状と思えるぐらいはそれほど心配ありません。

便の【においは?】
朝いちばんのうんちに、いままで体験したことのないにおいを感じたら要注意。前夜にお酒の飲み過ぎや揚げ物の食べ過ぎがあれば、原因は飲食したものの可能性が高いので様子を見て。食生活に原因が見つからないときは、体調不良のアラームかも。

なお、洋式トイレに排便をすると、大きさや硬さにかかわらず、たまっている水に浮く場合と沈む場合があります。水に浮くうんちは、繊維質を多く取っている証拠。豆類やイモ類などの不溶性の食物繊維を多く含むものを食べると、腸の中のガスや空気を抱え込み、便のかさが増し、ふわっと水に浮くように。また、排せつの頻度は、少し多い分には心配ありません。ただし、少ない場合、具体的には3日以上排せつがない場合は便秘気味といえるので、腸の健康を意識した生活の改善が必要です。

毎日セルフチェックを続けることで、自分のベストなうんちを知り、スッキリ、心地いい快便生活を手に入れましょう。

後編「危ないのはどんなうんち?うんちの種類でセルフ健康診断」はこちら。

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<教えてくれた人>
福田真嗣(ふくだ しんじ)先生

腸内環境研究者。慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任准教授。(株)メタジェン代表取締役社長CEO。
1977年、茨城生まれ。2006年、明治大学大学院農学研究科を卒業後、理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て、2012年より現職。2015年より科学技術振興機構先駆け研究者、2016年より筑波大学医学医療系客員教授、2017年より神奈川県立産業技術総合研究所グループリーダーを兼任。

 
この記事は『毎日が発見』2016年6月号に掲載の情報です。

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