腸は心と体の健康に影響大!
「心と体を好調、不調にするカギが腸にある。〝好腸〞、〝不腸〞と言っても過言はないくらい、腸は心と体の健康に影響を与えています」と言うのは、京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学准教授の内藤裕二先生。おなかの不調を抱えるたくさんの患者さんの胃や腸の様子を検査し、問診で食事や生活習慣について聞くうちに、「おなかが全身の司令塔」であることに気づき、現代人のおなかがさまざまな理由から悲鳴を上げていると警鐘を鳴らします。
胃や腸は食べ物を選ぶことはできません。私たちが「これ食べたい!と思って口に入れた、甘いもの、辛いもの、脂っこいものなど、何でも黙々と消化・吸収していきます。
「食べ物は口(口腔)、食道、胃、小腸、大腸、肛門というおなか(消化管)の中を通りながら消化・吸収され、残ったものは便として排出されます。私たちの体にとって食べ物は異物。消化管は異物の侵入というストレスにさらされながら、体を守るバリアとして一生懸命に文句も言わずに働き、さらに私たちが生きるためのエネルギーを生み出してくれているのです。しかし消化管にも限界があります。私たちの悪い食べ方、間違った暮らし方によって、徐々に消化管は不健康な状態になり、気がつかないうち に、血管が汚れ、肝臓や内臓に脂肪 がたまり、心臓の働きが悪くなり、血圧や血糖値が上がり、糖尿病、高血圧、動脈硬化、心臓病、肝臓病などのリスクを高めてしまうのです。それだけではなく、最近では、うつや認知症などにも腸の働きが関係していることが指摘されています」と内藤先生。
そこで、次の健康度チェックシートで、早速腸の健康度をチェックしてみましょう。
快腸?不腸?絶好腸?セルフチェックシート
当てはまるものが多いほど〝不腸〞気味・・・
胃や腸は食べ物を消化、吸収して栄養をつくります。栄養がベストな状態でつくられるかどうかは、みなさんの食べ方や暮らし方で決まります。上の項目に当てはまるものが多い人ほど、腸が悲鳴を上げています。便秘、下痢、ダイエットの失敗、シミやくすみなど肌老化、高血圧、高血糖、脂肪肝、イライラ、ストレスにまで、腸が関係しているのです。早速、今の生活を見直して、腸を元気にする習慣を身に付けましょう。
内藤裕二(ないとう ゆうじ)先生
京都府立医科大学大学院消化器内科学准教授。胃カメラなど内視鏡検査の達人として患者さんから厚い信頼が寄せられる。胃がん撲滅のための研究や、機能性食品の有用性を科学的に分析する研究でも有名。近著に『消化管(おなか)は泣いています』『人生を変える賢い腸のつくり方』(ともにダイヤモンド社)。