あなたは大丈夫? 「乱れ血圧」セルフチェック/「乱れ血圧」にご用心(3)

pixta_9593764_S.jpg厚生労働省の調査(「平成26年患者調査の概况」)では、継続的な治療を受けていると推測される高血圧患者数は1010万8千人でした。

「高血圧は遺伝、体質だから治らない」と諦めてはいけません。特に、血圧は高さのみならず、急激な乱高下も要注意とされています。どんなことに注意したらいいのか、気にしておきたいポイントについて、東京女子医科大学高血圧・内分泌内科主任教授で、日本高血圧学会理事の市原敦弘先生に教えてもらいました。

前の記事「命に関わる病気にもつながる! 血圧の乱高下/「乱れ血圧」にご用心(2)」はこちら。

 

▼「乱れ血圧」 セルフチェック

まずは自覚症状からチェックしましょう。
以下に当てはまるものが1つでもあったら、「乱れ血圧」かも!? 主治医に相談しましょう。


収縮期血圧(最高血圧)が高くなりやすい。
 または収縮期血圧と拡張期血圧(最低血圧)の差が以前より大きくなった
□夜間に血圧が下がらない
□血圧は正常か高めなのに、めまい、立ちくらみ、だるさを感じる(脳の血液量の低下)
□立ち上がる、起き上がるなどの動作でめまいや立ちくらみを感じる
□起床時に血圧がかなり高い
□運動、温度変化、ストレスなどで一度上がった血圧がなかなか下がらない


 

◎キーワード1
50歳以上の女性

長い間、高血圧を放っておくと、大切な血管が傷つき、命を脅かす病気のリスクが高まります。「女性は50代で閉経を迎えた後から、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下します。するとエストロゲンの持つ血管を拡張して血圧を低下させる作用がなくなるため、高血圧になる人が多いのです。それに気が付かずにいると動脈硬化が悪化するため、心筋梗塞を発症するリスクは男性より高まります」と市原先生。

 

キーワード2

原因究明と薬

市原先生は「高血圧になったら一生薬を飲み続けると思い込んでいる人も多いのですが、私たちは薬が必要なくなるまで治すことを目標に取り組んでいます。実際にたくさんの患者の方が高血圧を治して薬を必要としなくなりました」と話します。

高血圧を治す最初のステップは、血圧を上げている原因を早期に見つけること、まさに"敵を知る"ことだそうです。治療薬の効果が現れない場合は、一度、高血圧専門医を受診してみましょう。

高血圧は大きく分けて2種類あります。日本人の高血圧患者の約90%は「本態性高血圧」というはっきりと原因が特定できないけれども、生活習慣や遺伝などが関連している高血圧です。残り約10%が「二次性高血圧」で、腎臓病、ホルモン異常、心臓や血管の病気、薬が原因で起こる高血圧です。

「二次性高血圧ならば原因が特定でき、その原因を取り除く治療をスタートします。10人に1人は二次性高血圧の可能性がありますから、まずこれをチェックする必要があります」と市原先生は言います。

 

◎キーワード3

遺伝より生活習慣

高血圧患者の約90%が「本態性高血圧」つまり"原因不明の高血圧"ですが、高血圧患者の方の家族には高血圧の方が多いことから、遺伝が関係していると考えられています。

しかし遺伝があれば必ず高血圧になるわけではなく、逆に家族に高血圧の人がいなくても、塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、多量の飲酒などによっても高血圧は起こります。つまり本態性高血圧は遺伝以上に、食事、運動、ストレス管理などの生活習慣が影響しているので、家系や体質を病気の口実にするのは間違っています。

 

次の記事「50~60代は血管の内壁を健康に!/「乱れ血圧」にご用心(4)」はこちら。

取材・文/宇山恵子

<教えてくれた人>
市原敦弘(いちはら・あつひろ)先生

東京女子医科大学高血圧・内分泌内科主任教授。日本高血圧学会理事。慶應義塾大学医学部卒。ホルモン異常や腎機能など高血圧の根本原因を突き止め治療する専門家として年間5000人以上を診る。

この記事は『毎日が発見』2018年2月号に掲載の情報です。
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