ぎっくり腰は病院に行くべき? 行かなくてもよい?/ぎっくり腰(3)

pixta_36916484_S.jpg腰痛は多くの日本人を悩ませている病気で、その有訴者率(自覚症状のある人の割合)は男性で1位、女性で2位を占め、年齢が高いほど有訴者率も上がります(平成25年国民生活基礎調査)。それほど腰痛は身近な悩みなのです。

ヨーロッパでは"魔女の一撃"と言われる「ぎっくり腰」。個人差はありますが、何かの拍子で腰に"グキッ"とした痛みが走り、直後は日常生活もままならないことも。
この痛み、どのように対処したらいいのでしょう。予防法はあるのでしょうか。そこで日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科名誉指導医でもある東京都立多摩総合医療センター院長の近藤泰児先生にお話を伺いました。

前の記事「食事中にお皿を取ろうと手を伸ばしただけでぎっくり腰に。ぎっくり腰ってどうしてなるの?/ぎっくり腰(2)」はこちら。

 

強い痛みが続く場合は、専門医に受診を

ぎっくり腰は、命をおびかすような重大な病気ではありません。筋肉の損傷や疲労、椎間板(ついかんばん)の小さな亀裂や椎間関節の捻挫など軽いケガのようなものが原因なので、安静にしていれば自然に治ります。そのため、痛みをがまんして外出をして受診する必要はありません。2~3日強い痛みが続いても、日常生活動作が楽にできるようになり、特殊な動作のみに痛みを感じたり、違和感はあるけれど痛みが治まってきているなどの場合はほぼ問題ありません。

しかし立ち上がるのも困難なほどの痛みの場合や、一週間しても日常生活や仕事にかなり支障があるような痛みが続いている場合ならば、病院に行った方がよいでしょう。特に、不安や痛みで精神的にストレスを抱えがちな人は我慢せず、もう少し早く、病院受診をしてもよいかもしれません。また、2~3週間たっても強い痛みが引かない場合は、他の病気が原因になっている可能性も考えられるので、病院へ行く必要があります。

痛み止め薬や湿布薬が欲しいという場合は、近隣の内科や整形外科で問題ありません。でも強い痛みが続く場合は、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医か日本整形外科学会認定専門医・認定脊椎脊髄病医といった脊椎の専門医に診てもらうのが良いでしょう。どちらも学会のホームページから探すことができます。

大きな病院では予約をしても、外来で脊椎の専門医に当たるかは分かりません。そのため、かかりつけ医やお近くの整形外科の医師に専門医の先生を指名して紹介状を書いてもらいましょう。

医療機関を受診するのは、重大な病気かどうかを見つけることが目的ではありますが、重大な病気ではなかった場合にも、きちんと納得のいく説明をしてくれる医師に診てもらうということが大切なのです。

<診療を受けるときに伝えるべきこと>
・何をやっている最中に、どのような格好をしていて腰痛になったか。
・いま、どういう体の状態のときに痛むか(前屈すると痛い、など)。
・睡眠中に痛むかどうか。
・横になると痛むかどうか。
・腰痛以外に悪いところがあるかないか(発熱、足のしびれなど)。
・持病、既往歴

   

次の記事「ぎっくり腰だと思ったけれど...病院を受診すべき症状とは?/ぎっくり腰(4)」はこちら。

取材・文/ほなみかおり

<教えてくれた人>
近藤泰児(こんどう・たいじ)先生

東京都立多摩総合医療センター院長、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科名誉指導医、日本整形外科学会認定専門医・認定脊椎脊髄病医。1979年東京大学医学部卒業。都立駒込病院整形外科骨軟部腫瘍外科部長、東京都立府中病院(当時)副院長などを経て、2013年より現職。著書に『腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症 正しい治療がわかる本』(法研)、『わかる!治す!防ぐ! いちばんやさしい腰痛の教科書』(アーク出版)など。

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