日常生活に取り入れたい
予防・改善の簡単ルール
野菜を先に食べる
どんな食事でも「食べる順番」を意識します。1番目に野菜。食物繊維たっぷりの野菜を最初に食べることで、食後血糖値の急上昇を抑えることができます。次に汁物や、肉・魚などのたんぱく質や脂質、最後にご飯や麺類などの炭水化物の順に食べるのが理想です。
食器を小さいものに替える
ご飯の量を減らすとき、茶碗の半分にすると、とても少なく感じるでしょう。でも、子ども用の小さい茶碗に盛ってみると茶碗いっぱいに見えます。量を減らす分、食器を小さくすることで「たっぷり食べている」感覚を維持でき、少ない量でも満足感を得られます。
おやつはナッツやチーズに
おやつは食べてもOKです。1日3食の適量の食事に間食を加えることで、インスリンの分泌が維持され、食後血糖値が上がりにくくなります。ただし、甘いお菓子やジュースは避けましょう。くるみやアーモンドなどのナッツ類、チーズ、豆類、小魚がおすすめ。
間食は1分間よくかむ
食後血糖値は、ゆっくり食べることで急上昇を防ぐことができます。おやつを食べるときも、ひと口食べたら1分間じっくりかむことを意識して味わいましょう。よくかむことで満腹感も得られます。ナッツや小魚はかみごたえがあり間食向き。ミネラルなども摂れます。
インスタント食品には野菜や卵、酢をプラス
カップ麺などを食べるときは、サラダなどの野菜を必ず添えましょう。ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)は血糖値を下げる成分が含まれていておすすめ。また、卵などでたんぱく質を補い、酢を加えると血糖値の上昇が緩やかになることが分かっています。
水分を多めに摂る
血糖値が高い状態の体は、脱水症状を起こしやすいので、こまめな水分補給を心がけましょう。間食の時間は、水や無糖のお茶を。紅茶やコーヒーに砂糖を入れたいときには、角砂糖1個までにします。糖分を多く含むジュースや炭酸飲料は控えることが大切です。
1分間だけ速く歩く
高血糖の予防には食事の改善のほか、運動も不可欠です。筋肉を使うと、インスリンに反応して糖を細胞に取り込む機能を持つたんぱく質「GLUT4(グルットフォー)」が活性化し、血糖値のコントロールに役立ちます。簡単にできるのが、1分間の早歩き。ウォーキングや近所への買い物、駅までの道を歩くときなどに1分間だけ速く歩いてみましょう。これだけで「GLUT4」が活性化します。1分間が難しければ、10秒の早歩きでもOK。毎日続けることが何より重要です。
構成/岡田知子(BLOOM) 取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史