夏場に睡眠不足や栄養不足などで起こりやすい、「こむら返り」。加齢に伴って起こりやすくもなりますが、病気が原因なことも。今回は医師の出沢さんに対策などを教えてもらいました。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年8月号に掲載の情報です。
主な原因
・ 水分不足やミネラル不足
・ 加齢に伴う筋肉・代謝量の減少
・ 身体の冷え・動脈硬化による血行不良
主な予防法
・ストレッチやマッサージ
・水分補給
・ミネラルバランスの良い食生活
足のつりはセンサー役の誤作動によって起こる
筋肉の収縮や伸長を調整する仕組み
腱紡錘(けんぼうすい)
腱と筋肉の境目にあり、筋肉の収縮による腱の伸び具合を感知し、筋肉の収縮し過ぎを防ぐ器官。
筋紡錘(きんぼうすい)
筋線維の中にあり、筋肉の伸び具合を感知し、筋肉の伸び過ぎを防ぐ器官。
通常は筋紡錘と腱紡錘のバランスはうまくコントロールされている
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何らかの原因で腱紡錘の働きが鈍くなると「筋肉のつり」が発生
就寝中などに突然ふくらはぎの筋肉がつって、激痛に襲われる「こむら返り」。
「こむら」はふくらはぎを指します。
普段は自分の意思で動かしている筋肉が、自分の意思とは関係なくけいれんしてしまうことで、過剰に収縮した筋肉が硬直する状態です。
激痛を伴いますが、ほとんどの場合は数分のうちに治まります。
脚のすねや趾(あしゆび) 、太ももなどの筋肉がつることもあります。
筋肉の端には伸縮を調整するセンサー役の2種類の器官があり、この働きによって、筋肉はバランス良く動いています。
何らかの理由でそれらの働きが鈍くなると筋肉を調整するバランスが崩れ、筋肉のつりが発生します。
誤作動を起こす原因で最も影響が大きいと考えられるのが、ミネラルバランスの乱れです。
ミネラルは筋肉の収縮や神経伝達などに重要な役割を果たしています。
加齢に伴う筋肉・代謝量の減少の他、水分・栄養不足、筋肉疲労、身体の冷え・血行不良などによって、バランスが乱れると考えられます。