足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。
※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】「ボコボコ足」のセルフケアは「午後から夕方」がおすすめ! 「下肢静脈瘤」改善体操のポイントを解説
ごろんと横になって行う体操は
心臓に血液が戻りやすくなり、効果抜群
体操といっても、動きがむずかしかったり、特に激しいものではありません。
着替える必要もなく、思い立ったらすぐにできるものばかりです。
これまで、家でできる体操としてもっとも反響の大きかったのが「基本のゴキブリ体操」です。
インパクトのあるネーミングにギョッとした方もいると思いますが、とにかく簡単にできますし、効果もとても高いので、多くの方に取り人れていただきたい体操です。
あおむけになって、両手・両足を上げ、ブルブルと震わせるだけなので、体操ともいえないほど簡単です。
横になるだけでも足にたまった血液は心臓に戻りだしますが、手足をブルブルさせることで血流がグンと改善します。
人間の体の隅々まで血液をいきわたらせている毛細血管の約7割が、手足に集まっています。
手足を小刻みに動かすことで、毛細血管の負担が軽くなり、足の血液が心臓に戻るのを助けてくれます。
「ゴキブリ体操」は、「毛管運動」ともいい、治療に取り入れている医師も多くいます。
毛細血管は体の隅々まで酸素や栄養を運ぶ役割をしているので、それを活性化させることは、全身の血液循環をよくすることになります。
下肢静脈瘤以外に、高血圧、低血圧、冷え性、便秘などにも効果がるといわれています。
午後から夕方の間に必ず1回、できれば昼食後の休憩時にも1回、夜にも1回の計3回行いましょう。
余力のある方は夜寝る前にさらにもう1回行うと、より効果があります。
昼間行うときは、そのまま横になって寝てしまってもかまいません。
私も「できるなら一度昼寝して」と勧めているくらいです。
寝ている間にむくみが解消されます。
昼食後にゴキブリ体操をしてから30分程度の仮眠をとる、という一連の流れを習慣にするといいでしょう。
基本のゴキブリ体操
下肢静脈瘤が気になったらまずはこの体操を始めましょう。
抜群の効果が期待できます。
(1)あおむけになって足は肩幅に開き、両手は体の脇に置きます。
【Point】
できるだけ体の力を抜いて、リラックスした状態で始めましよう。1日の締めくくりに、夜寝る前に布団の上で行うのもおすすめです。
(2)両手・両足を天井に向けて上げます。手と足は床に対して垂直になるようにして、30~60秒間、手足をブルブルと小刻みにゆすります。これを3回繰り返します。
【Point】
手足に力を入れないよう、できるだけ脱力して手首や足首を小刻みにゆすりましよう。
応用
両手・両足を上げるのがつらい人は、片手・片足だけでも大丈夫。片方ずつ、交互に手足をブルブルさせましょう。できるところからチャレンジしてみて。