足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。
※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。
《患者さんの体験談》
放置していたコブが体操とストッキングで解消
Kさん(女性60代)
20代のとき、妊娠中に初めてひざの裏にコブができました。
「妊娠中にはよくあることで、すぐよくなる」と医師にいわれたのでそのままに......産後は育児に忙しく、他に症状はなかったので、放置すること約20年。
子育てが一段落した頃、コブがさらに目立ってきたので受診してみました。
エコー検査をしたところ、「まだ軽症なのでセルフケアで改善できる」と医師にいわれたので、教えてもらった体操と弾性ストッキングを試すことに。
最初のうちは、弾性ストッキングがきつくてはくのが大変でしたが、なんとかがんばってはき続けたところ3カ月ほどでコブもあまり目立たなくなりました。
気がつかないうちに静脈瘤が。治療で見た目もスッキリ
Mさん(女性50代)
高校を卒業してデパートに就職し、ずっと立ちっぱなしで接客しています。
あるとき同僚に「ふくらはぎがボコボコしているよ」と指摘されました。
自分では気がつきませんでしたが、鏡で見てみるとなんだかカッコ悪くて。
血管外科を受診したところ、伏在型静脈瘤といわれました。
思いもしなかったので驚きましたが、説明を受けて夏休みにレーザー治療を受けることに。
治療は痛みもなく、来院してから治療、処置まで2時間くらいで帰宅できました。
翌日は治療後の傷の状態チェックやエコー検査があり、その後は1カ月間弾性ストッキングをはいて治療は終了です。
制服がスカートなので、きれいに治って本当によかったです。
かき壊した皮膚も、変色が少し残る程度に回復
Dさん(男性70代)
小さな居酒屋を経営しています。
調理も自分でやっているので、忙しいときはほぼ立ちっぱなし。
昔から足のむくみが気になっていましたが、さらに皮膚がかゆくなり、かいているうちにかき壊してしまったんです。
むくみとかゆみが関係あるわけないと思っていたんですが、妻に強く勧められて血管外科を受診してみました。
検査の結果、大伏在静脈瘤でした。
かゆみも下肢静脈瘤が進行したせいだと聞き、レーザー治療をしました。
皮膚の変色は少し残りましたが、むくみはすっかりよくなりました。
今は再発防止のために、仕事中も弾性ストッキングをはくようにしています。
軽症の静脈瘤は体操とマッサージで全快
Nさん(女性60代)
若い頃から事務職ひと筋。
夕方になると足がむくむんです。
若い頃は、朝起きたらスッキリしていたんですが、年を重ねるごとにむくみがまったくとれなくて。
シップなど貼ったりもしてみたのですが全然効きませんでした。
あるとき、足の血管が浮き出ているのに気づきました。
怖くなって皮膚科を受診すると、これは血管外科がいいと紹介され受診しました。
「下肢静脈瘤だが軽症なのでセルフケアで治る」といわれ、教わったマッサージと体操を始めました。
お風呂でマッサージすると翌朝はむくみがとれ、体操もテレビを見ながらラクに続けられます。
「やらなくては」という義務感もなく、毎日続けるうちに足の症状はすっかり解消しました。