腕を上げてわきの下のリンパ節をマッサージ! 「肩こり」を解消するリンパ体操

今回ご紹介するのは、リンパがたくさん集まっている肩や首の周りの筋肉を動かして、血行やリンパの流れを良くするストレッチ。リンパティック・ストレッチの考案者・前新マミさんに「肩こり解消ストレッチ」を教えてもらいました。


リンパ体操とは
毎日激しい練習を重ねるバレリーナの疲れを早く取り、筋肉を蘇らせるメンテナンスのストレッチ。リンパの流れを促進して体の隅々まで巡らせ、体を修復・回復させて歪みを正すのが目的です。


腕を上げると、滞った肩のリンパの流れが良くなります

筋肉を動かすことがリンパの流れを促進する

肩こりは筋肉が緊張して血行が悪くなっているために起きてきます。

姿勢が悪かったり、その悪い姿勢を長年にわたり続けている。

また、運動不足、ストレスや眼精疲労などがおもな原因です。

日本人は、欧米人に比べると骨格がきゃしゃで筋肉も少ないので、肩こりになりやすいともいわれています。

さらに近年はスマートフォンやパソコンを長時間使用するため、肩に負担がかかる姿勢を続けることになり、肩こりになる人はますます増え続けています。

肩や首の周りはリンパがたくさん集まっている場所です。

筋肉を動かすことでリンパは流れやすくなるので、意識的に動かすようにしましょう。

特にわきの下にはリンパ節があるので、マッサージすることで流れを促進でき、肩こりも解消されます。


巻き肩のチェック

肩先が内側に向いている巻き肩は姿勢が悪くなり、背中や肩甲骨の周りの筋肉が引っ張られ続けている状態です。筋肉が緊張して、肩こりも招きやすくなります。立ったときに自分の体をチェックしてみましょう。

【正しい姿勢】

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肩が正しい位置にあれば、手の甲は体側に沿っています。

【横から見ると】

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腕と手は体側に沿っています。

【巻き肩】

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手の甲が太ももの前にきているとき、肩が内側に入る巻き肩になっています。


片方の手のひらを頭頂に置きます。

反対の手でひじからわきの下までを、もむようにしながら上へ、下へとマッサージします。

特にわきの下のあたりはつかむようにしてマッサージします。

ひじからわきの下までは筋肉が少なく、リンパが滞りやすい場所でリンパの流れが良くなると肩こりも解消されます。

何回か行ったら反対の腕も行いましょう。

(1)頭頂に手を置きます。こうすると誰でも腕を上げることができます。上がりづらいときは反対の手で支えてあげます。

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(2)何度かさするようにひじからわきの下を上下します。わきの下は特によくもんでマッサージします。

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さらにできる人は腕を上げてわきの下のリンパ節をマッサージ! 「肩こり」を解消するリンパ体操 2205_P071_03.jpg

手と手をつないで、わきの下を引き伸ばすようにストレッチします。

《今月の寝る前10秒リンパ》

肩甲骨を動かす

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あお向けになり、手のひらを下向きにして腕を床に横に伸ばしたらひじを曲げます。手のひらで何度か小さく円を描きます。反対回しも行います。肩甲骨が動いているのを感じましょう。

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取材・文/石井美佐 撮影/藤田浩司 ヘアメイク/ange

 

前新マミ(まえあら・まみ)さん

1950年、北海道函館市生まれ。バレリーナ、プロダンサーとして活躍。メンテナンスのためのリンパティック・ストレッチを考案。著書に『寝たままスッキリ! リンパ体操』(高橋書店)他。

この記事は『毎日が発見』2022年5月号に掲載の情報です。
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