今回ご紹介するのは、硬くなっている股関節周辺の筋肉の柔軟性を取り戻すストレッチ。リンパティック・ストレッチの考案者・前新マミさんに「股関節の痛みを和らげるストレッチ」を教えてもらいました。
リンパ体操とは
毎日激しい練習を重ねるバレリーナの疲れを早く取り、筋肉を蘇らせるメンテナンスのストレッチ。リンパの流れを促進して体の隅々まで巡らせ、体を修復・回復させて歪みを正すのが目的です。
「股関節は本来はよく回る関節ですが、動かさないと周りの筋肉が硬くなって痛みが出ます」
関節周りの筋肉の柔軟性を保つ
バレリーナが足を大きく回転させたり、前後左右に滑らかに動かして踊る姿を見たことがあるかと思います。
このように本来、股関節というのはほぼ360度動かすことができる体の中で最大の関節で、上半身と下半身をつないで足を動かす役割を果たしています。
また、大きなリンパ節があります。
股関節の悩みで最も多い変形性股関節症の生徒さんは、人工股関節の手術をしても痛み止めがないと眠れない状態でした。
手術で関節は正常になっても、股関節周辺の筋肉が硬くなっていると、痛みが出てきてしまうのです。
ストレッチで股関節を動かして筋肉の柔軟性やリンパの流れを取り戻すとともに、日頃の体の癖を修正して正しい動作を身につけたところ、痛み止めが必要なくなるまでに改善することができました。
こんな動作・姿勢が股関節に負担をかけています
立っているときに片方の足に体重をのせている。均等に両足に体重をのせるようにする。
足を組む癖がある場合は、同じ足ばかりを組んでしまいがち。時々足を入れ替える。
斜めに座り、片方の足が開き気味で反対の足は内側に倒れている。
片足は伸ばして反対の足は曲げている。意外にも多い座り方。
「おねえさん座り」で、いつも同じ方向に斜めに座る。
片足を引き寄せたらパタンとひざを床に倒します。
そのままスルスルとつま先で床を滑るようにして、あお向けに戻ります。
足の力を抜き、股関節の周りを緩めるイメージで行います。
左右8回ずつ行いましょう。
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《今月の寝る前10秒リンパ》
股関節の前側を伸ばす
あお向けになり、ひざを立てたらお尻を上げていきます。股関節の前側を伸ばすようなつもりで、しばらくキープしたらお尻を下ろします。背中の血行もよくなります。
取材・文/石井美佐 撮影/藤田浩司 ヘアメイク/ange