突然、倒れて命を失う。助かっても寝たきりになることも...そうならないためには、どうすればいいのでしょうか? IMSグループ横浜新都市脳神経外科病院院長の森本将史(もりもと・まさふみ)先生に、「脳梗塞以外の脳卒中」についてお聞きしました。
【前回】40歳以上になったら2〜3年に1度は受けよう! 脳疾患リスクを早期発見するための「脳ドック」
【最初から読む】命の危険はもちろん、「後遺症」によって要介護の恐れ大! 「脳梗塞・脳出血」を理解して命を守ろう
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【脳出血】
脳の動脈が破れて脳の中に出血した状態。流れ出た血液が神経細胞を圧迫して、さまざまな障害を引き起こします。もっとも多い原因は、高血圧。慢性的な高血圧を放置すると動脈が徐々に弱くなってしまうからです。
【くも膜下出血】
脳の血管にできた脳動脈瘤というコブが破れ、脳を保護するくも膜と脳の間に出血が広がります。脳動脈瘤ができるのは、生まれつき血管壁が薄いことが主な原因。脳動脈瘤がなくても、頭部外傷がきっかけで発症することも。
脳梗塞以外の脳卒中には、くも膜下出血や脳出血があります。
「くも膜下出血は前兆がなく、軽度なものから、バットで頭を殴られたようと表現される激しい頭痛まで、出血量により症状の程度が異なります。出血量が多い場合は、意識障害や嘔吐などが典型的な症状です。いち早く病院で再出血予防のための手術を行う必要があります。脳出血も前兆がありません。脳出血を起こすと運動障害や言語障害など、脳梗塞と似た症状が現れます。状態によって薬物療法か手術を行います」(森本先生)
取材・文/石井信子 イラスト/ノグチユミコ