免疫力のアップに重要なのは肺と腸。肺を鍛えて深い呼吸ができるようになれば自律神経が整い、自律神経が整えば腸内環境も良好になり、健康力の向上へとつながります。今回は、順天堂大学医学部教授の小林弘幸(こばやし・ひろゆき)先生に、「小林弘幸式健康法」について教えてもらいました。
深い呼吸で自律神経を整え腸の健康力もアップ
ご存じの通り、肺の最も重要な働きは呼吸です。
しかしいま、たっぷり酸素を取り込めていない人が増えています。
「浅い呼吸は不調や病気を引き起こす原因となります。肺を鍛えて深い呼吸ができるようになると、自律神経が整い、免疫力のアップへとつながります」と、小林弘幸先生。
免疫力の向上には、腸内環境を整えることも欠かせません。
「深い呼吸ができるようになって自律神経が整うと、腸内環境も良好になります」と、小林先生。
肺×自律神経×腸の3つのバランスを良好に保つためにも、「肺活」と「腸活」に取り組みましょう。
1.自律神経
撮影/小林弘幸先生
歩くことは自律神経を整えるのにも効果的。小林先生は、散歩中に写真を撮るのを楽しみにしているそうです。
2.呼吸(肺)
肺の力を高めて呼吸が深くなると、血流が良くなる、疲れにくくなる、免疫力が上がるといいこと尽くしです。
3.食事(腸)
腸には免疫細胞の7割が集まっています。腸の健康を整えることで、全身の免疫力アップにつながります。
小林弘幸先生の元気の秘訣
●歩いて体をほぐす
100歳になっても、一段飛ばしできる体に!
体をほぐすには、歩くのがいちばんと小林先生。
「歩くときはやや早歩きを意識。階段では1段飛ばしがお約束です。最近は、散歩中に気になった風景を撮影して、毎日1枚インスタグラム(※)に写真(下記)を投稿しています」。
日々の生活の中で、体を動かしたり、ちょっとした楽しみを見つけることが免疫力向上に役立ちます。
※インターネットの写真投稿サービス。
夕飯は20時まで
「夕飯はサラダをメインにするなど、野菜多めの食事が基本です。また、20時までには食べ終えることも心がけています」。
寝る直前の食事は、体に負担がかかります。
免疫力アップには、寝る3時間前までには食べ終えるようにするのがいいでしょう。
●朝ごはんはしっかり
朝、体のスイッチを入れるには、日光を浴びることと食事がとても重要です。
「朝食は大学の食堂で、魚や卵、ご飯、みそ汁などの和定食が定番です。朝食は起きてから1時間半以内、腸のストレスにならないよう腹八分目を守るのも大切」。
しっかり朝食をとって体内のリズムを整えましょう。
●気付いたときに呼吸
忙しい毎日の中では、ついつい呼吸が浅くなってしまうこともあります。
「診察の合間や散歩中、電車の中、寝る前など、とにかく気付いたときに深い呼吸をしています。クセになるぐらいやっていると、いつの間にか自然と深い呼吸ができるようになります」
【まとめ読み】特集「免疫力が上がる「肺・腸」健康法」記事リスト
取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 撮影/西山輝彦 イラスト/macco モデル/氷川よし子(SPLASH)