「考える人」の姿勢は排便に良い!? 命を落とす危険性もある「便秘」の原因と改善方法

早めの治療がポイント

薬の使い方に注意

主な治療法は、上に示した4つです。

薬物治療以外は予防にもなります。

便秘は自力で治そうとしがちですが、長期にわたると悪化してしまいます。

腸が伸びきってしまったり、肛門が傷ついてしまったりすると手遅れです。

2~3カ月たっても改善しない場合や、血便、体重減少、貧血、腹痛の症状が出たときは早めに受診してください。

基本的な薬には、腸内で水分の分泌を増やし、便を柔らかくして排便を促す薬(酸化マグネシウム)と大腸のぜん動運動を促す刺激性下剤(センノシドあるいはセンナ)があります。

薬物の使い方には注意が必要です。

前者は長期投与によって血中のマグネシウム濃度が異常に高くなる高マグネシウム血症を起こすことがあります。

腎臓障害のある人や高齢者は要注意です。

後者は習慣性、依存性があり、漫然と使っていると効果がなくなる(薬物耐性)ので、特効薬として一時的に使います。

最近では、ルビプロストン、リナクロチド、エロビキシバットなど、従来の薬とは働きが異なる新薬が次々と登場しています。

腎機能との関連や耐性の問題を心配する必要はほとんどありません。

早めの薬物治療と並行しながら生活習慣の改善を図っていくことが理想です。

今日の便はどのタイプ?

毎回自分の便をチェックすることが大切。

便の状態を的確に把握でき、受診の際の指標になる。

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※理想の便のタイプは4。腹筋が弱ければタイプ5、寝たきりで浣腸が必要なときはタイプ3など状況による。

お尻上げ体操で排便をラクに!

排便に必要な大臀筋や腹筋を鍛える

(10回×3セットが1日の目安)。

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(1)両ひざを立てて、足を肩幅くらいに開く

(2)背中を床につけたまま、息を吐きながらお尻をゆっくり持ち上げる

(3)息を吸いながら、お尻をゆっくり下ろす

※他に1日30分程度の有酸素運動を習慣に!(腸が活発に動くことで、たまっている便が動く)

「考える人」の姿勢は排便に良い!?

直腸は「く」の字に曲がっているので、前かがみになると排便しやすい。便意を我慢しない、毎朝トイレに座る習慣(便意がなくても)も大切。

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便秘予防・改善に
おすすめの食習慣

食物繊維が多い食事を心がける

・65歳以上の摂取量の基準は、男性20g、女性17g/日以上。

・多く摂るコツは、「生」ではなく「加熱調理」。

・不溶性食物繊維(いも類、きのこ類、玄米など)を摂り過ぎると便が硬くなることも。水溶性食物繊維(納豆、オクラ、海藻類など)とのバランスが大事。

食事は1日3回しっかり取る(米を中心に)

・特に朝食は大腸を目覚めさせるので、抜かないこと! 十分な水分を摂取する

・便が硬くなるのを避ける。

・冬は水分量が減りやすいので注意!

適度な油(大さじ1杯程度)を摂る

・野菜にサラダ油などをかけるとよい。大腸を刺激する。ビフィズス菌や発酵食品を摂る

・腸内環境を整える。

※食事制限を受けている人は主治医に相談すること。

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取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/片岡圭子

 

<教えてくれた人>
横浜市立大学大学院医学研究科・肝胆膵消化器病学教室 主任教授  
中島 淳(なかじま・あつし)先生
1989年大阪大学医学部卒業。医学博士。ハーバード大学客員准教授などを経て、2014年より現職。医療従事者用「慢性便秘症診療ガイドライン」作成メンバー。著書多数。

この記事は『毎日が発見』2021年7月号に掲載の情報です。

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