腰痛、手足のしびれ、不眠がなかなか治らない...その原因、実は「右脳と左脳の働きのバランスが崩れている」のかもしれません。そこで、石井克昇さんの著書『不調が消え去る脳バランス体操 右脳と左脳の働きが一瞬で整う』(KADOKAWA)より、左右の脳機能の働きをチェックし、機能が低下した側に刺激を加える健康法「脳バランス体操」についてご紹介します。
脳バランスが乱れると自律神経も乱れる
筋・骨格系の話に続いて、自律神経系の不調について考えてみましょう。
私の治療院には、筋・骨格系の疾患だけではなく、自律神経系の不調によって起こる症状に悩み、来院する人が少なくありません。
頭痛、めまい、耳鳴り、不眠、疲労感、うつなどの症状は、原因がはっきり突き止められないケースも多く、慢性化しがちです。
こうした自律神経系の不調においても、実は、脳バランスの乱れが関係しているケースが相当あると考えられます。
実際、しつこい不調に悩む人に、脳バランスのチェックテストをやってもらうと、左右の脳バランスが乱れているケースや、全般的な脳機能の低下が起こっているケースが多く見つかります。
当然ながら、脳バランスが乱れたり、脳機能の全般的な低下が起こったりしているときには、自律神経系にも悪影響が及び、その働きが乱れています。
さらに、自律神経は感情の影響を大きく受けるため、心理的なストレスがある場合には特に乱れやすいのです。
ちなみに、自律神経とは、本人の意思とは無関係に働き、内臓や血管などをコントロールしている神経です。
自律神経には、主に日中に優位になり、アクティブな活動を支える交感神経と、夜になると優位になり、休息の神経として働く副交感神経があります。
両者は、互いにバランスを取り合うように働くことで、体の調子を整えます。
しかし、心理的なストレスが強かったり、脳バランスが乱れたりして、慢性痛が引き起こされているような状況では、同時に、自律神経の働きも乱れて、多くの不定愁訴(ふていしゅうそ)が起こりやすくなります。
脳バランス体操が有効と考えられる、自律神経系の主な疾患は以下のとおりです。
慢性的な疲労感、だるさ、めまい、耳鳴り、不眠、片頭痛、動悸、ほてり、微熱、手足のしびれ、便秘、下痢、口やのどの不快感、頻尿、残尿感、イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、やる気が出ない、うつなど。
あなたの自律神経のバランスを確認しよう
自分が自律神経失調症かどうかが気になる人は、次の項目を確認してください。
□ 不眠症がある
□ 急に息苦しくなることがある
□ 動悸がすることがある
□ 頭痛がすることがある
□ めまいを感じることがある
□ 立ちくらみすることが多い
□ 胃がもたれることが多い
□ 疲れがなかなか取れない
□ 仕事をやる気が起こらない
□ ちょっとしたことでも腹が立ち、イライラすることが多い
いくつ、チェックがつきましたか?
あくまでも目安ですが、以下のように考えられます。
0~1個 → 自律神経の乱れはほとんどないでしょう
2~6個 → 自律神経がやや乱れています
7~10個 → 自律神経がかなり乱れています
困ったことに、自律神経がやや乱れている人も、自律神経がかなり乱れている人も、その原因がはっきり特定できることは少ないものです。
多くは、あいまいに「自律神経失調症ですね」と言われるか、うつなどの精神症、女性なら更年期障害と診断されるケースが多いでしょう。
しかも、そうした診断がなされても、これらの症状は、薬によってパッと消えるようなものではありません。
例えば、耳鳴りやめまい。
これらの不定愁訴は、耳鼻咽喉科で検査をしても、明確な原因が特定できないことがよくあります。
自律神経失調症や更年期障害の1つと見なされることもありますし、検査の結果、「異常なし」や「原因不明」という結果になることもあります。
しかし、異常なしと言われても、現に耳鳴りやめまいの症状が続いている場合、ご本人にとってつらいことに変わりはありません。
このように、原因不明や異常なしと言われてしまう不調や、長年にわたり続いている不定愁訴に悩んでいる人にこそ、脳バランス体操を試してほしいのです。
6章にわたって、左右の脳機能のバランスを整えて不調を改善する「脳バランス体操」について解説しています!