発病者の9割が女性...!? イライラ、顔のむくみ...他の病気と間違えやすい「甲状腺の病気」

病気への正しい知識で早期発見・早期治療を

甲状腺ホルモンの異常は血液検査(甲状腺機能検査・甲状腺自己抗体検査)で簡単に調べられます。

ただし通常の健康診断の検査項目には含まれていないので、40歳以上の方は一度検査することをおすすめします。

甲状腺の専門病院なら、当日に結果が出る上、超音波検査で甲状腺の腫瘍の有無も分かります。

バセドウ病、橋本病とも薬物療法が基本です。

バセドウ病では抗甲状腺薬を服用します。

薬で治りにくい場合や副作用が出る場合には、アイソトープ療法と手術療法があります。

前者は、放射線を放出するヨウ素を甲状腺に取り込ませて、甲状腺を破壊してホルモンを作らせないようにします。

手術より手軽で、薬より効果が早い治療法です。

後者は、甲状腺が大きく腫れていたり、甲状腺がんを併発している場合などに選択します。

橋本病はホルモンの状態が正常で機能が低下していなければ、治療は必要ありません。

半年から1年に一度、経過観察のために受診します。

治療が必要になる人は全体の3割程度で、不足している甲状腺ホルモンを内服薬で補います。

どちらの病気も特に予防法はありません。

他の病気と間違えやすいだけに、自ら甲状腺の病気を疑い、検査を受けることも大切です。

こんな症状は要注意!

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※当てはまる項目が多い場合は、甲状腺の検査を受けましょう。以下ホームページに専門病院が掲載されています。(日本甲状腺学会/日本内分泌外科学会)

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「甲状腺」の形状

甲状腺の位置は男女で異なり、女性はのどぼとけのすぐ下、男性は首の根元あたりにある。大きさは3~4cm、重さ15g前後、蝶が羽を広げたような形状をしている。

【前から見た図】

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【上から見た図】発病者の9割が女性...!? イライラ、顔のむくみ...他の病気と間違えやすい「甲状腺の病気」 2103_P091_03.jpg

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取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/片岡圭子

 

<教えてくれた人>
伊藤病院院長
伊藤公一(いとう・こういち)先生
北里大学医学部卒業。東京女子医科大学大学院修了後、シカゴ大学留学。医学博士。2004年に名古屋甲状腺診療所、17年にさっぽろ甲状腺診療所を開設。

この記事は『毎日が発見』2021年3月号に掲載の情報です。

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