イライラしたり、疲れやすさ、顔や手のむくみ、体重の増減など気になる症状はありませんか? それらの症状は、甲状腺の病気の可能性があるそうです。そのほかにも要注意な症状をチェックしてみましょう。伊藤病院院長の伊藤公一(いとう・こういち)先生に、他の病気と間違えやすい「甲状腺の病気」について教えていただきました。
甲状腺の病気は40代以上の女性の約5%が患うともされ、とても身近な病気です。
代表的な病気は「バセドウ病」と「橋本病」で、症状は真逆ですが、どちらもホルモンを分泌する機能の異常により起こります。
甲状腺のホルモン分泌機能の異常は多くの場合、薬などでコントロールしやすく、約90%の人は入院することなく、通常の生活をしながら通院で治療することが可能です。
甲状腺は、食べ物の中に含まれる「ヨウ素(ミネラル)」を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌しています。
甲状腺ホルモンが正常に分泌されることで、健やかに過ごすことができているのです。
甲状腺ホルモンの働き
バセドウ病は、20~30代の若い世代に多く発生します。
動悸や息切れ、発汗などの症状から、更年期障害や糖尿病、心臓病などと間違われることがあります。
橋本病は、40~60代で多く見られます。
女性に多く、男女比は1対20~30くらいです。
心身ともに元気が出ないのが特徴で、だるさや物忘れといった症状から、うつ病や認知症などと間違われることもあります。
[主な種類]
・バセドウ病
・橋本病
[主な特徴]
・女性に多い病気
・典型的な症状がない
・現れ方が人それぞれ