マスクをしていて口の中がネバネバしたり、口臭が気になる...なんてことはありませんか? それは「ドライマウス」の影響かもしれません。唾液が減ると歯周病や誤嚥性肺炎などのリスクが高まるのだそう。そこで、栗原ヘルスケア研究所 所長の栗原丈徳(くりはら・たけのり)先生に、「ドライマウスの予防法や治療」について教えていただきました。
ドライマウス解消は老化防止やうつ予防にも
風邪のシーズンには、唾液と口腔ケアで体内の入り口ともいうべき口の中を整えましょう。
唾液をたっぷり出すために、落ちベロを解消して鼻呼吸を意識すれば、アンチエイジングにも役立ちます。
落ちベロって何? もしかして私もドライマウス? セルフチェック
「歩行速度が遅く脚力や握力など全身の筋肉が弱っている人は舌圧も弱く、相関関係があると報告され、サルコペニアになりやすいと考えられています。落ちベロを解消することは、予防の一助になる可能性があるのです」と栗原先生は話します。
サルコペニアは、筋肉量が減少して、筋力低下や身体機能低下をきたした状態です。
舌の筋力低下は摂食嚥下機能の低下につながり、低栄養になりサルコペニアのリスクになるのではないかといわれているのです。
サルコペニアを放置すると運動機能の低下に伴い身体機能が弱くなり、寝たきりにつながります。
「ドライマウスの原因となる口呼吸の人は、うつ状態を招きやすいとの報告もあります。サルコペニアでうつ状態が加わると、ますます体を動かせなくなります。逆にいえば、鼻呼吸を意識し、ドライマウスを予防することで、サルコペニアやうつ状態になるリスクを下げることが可能です」と栗原先生。
シェーグレン症候群など病気に関わるドライマウスは、治療が必要になりますが、加齢や口呼吸によるドライマウスは、重症でなければセルフケアが功を奏します。
唾液腺マッサージや舌回し体操は、気軽に取り組める方法なので、今回紹介する方法を参考に。
「定期的に歯科で口腔ケアを受けることも大切です。歯並びが悪い、噛み合わせが悪いことで、口腔内環境が悪くなってドライマウスにつながることもあります。ご自身の歯に合ったブラッシングの指導も受けましょう」と栗原先生。
ドライマウスを解消して病気を退けましょう!
予防のためにやってみたいこと
●唾液腺マッサージ
【耳下腺マッサージ】
左右の耳の前、上の奥歯の辺りを、両手の4本の指先で、前方に向かって回しながら10回押します。
【顎下腺マッサージ】
左右の耳の下、あごの骨の内側の柔らかい部分を両手の4本の指先で、押して刺激します。指先の場所をずらしながら、あごの先端まで5回ずつ押していきます。
【舌下腺マッサージ】
あごの骨の内側、舌の付け根の辺りを親指の指先で10回刺激します。