口の中のネバネバや口臭...もしかして「ドライマウス」? 様々なトラブルから守る「唾液」の重要性

マスクをしていて口の中がネバネバしたり、口臭が気になる...なんてことはありませんか? それは「ドライマウス」の影響かもしれません。唾液が減ると歯周病や誤嚥性肺炎などのリスクが高まるのだそう。そこで、栗原ヘルスケア研究所 所長の栗原丈徳(くりはら・たけのり)先生に、「ドライマウスの原因や唾液の役割」について教えていただきました。

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加齢や口呼吸などで唾液の分泌量が減少

スイーツのパイ生地など、パサパサした食べ物を口にして「のみ込みにくい」と感じることはありませんか?

紅茶やコーヒーなどの飲み物と一緒でないと食べられない。

その原因の一つにドライマウスがあります。

唾液の分泌量が減り、咀嚼やのみ込みなどに悪影響を及ぼし、口の中に炎症が生じるようなことも起こります。

「唾液は1日約1・5L分泌しますが、加齢に伴い唾液腺の機能が落ちると分泌量が減ります。よく噛まないなど口周辺の筋肉を動かさないことや、口呼吸でも唾液の分泌量減少が起こります」と栗原丈徳先生は話します。


ドライマウスとは?

唾液量が減り、口の中が乾燥しやすい状態のこと。「口腔乾燥症」ともいいます。

主な原因は?
・シェーグレン症候群(※)のような病気
・加齢に伴う唾液分泌量の減少
・薬の副作用
・口呼吸による口中の乾燥

※涙や唾液を作りだしている涙腺、唾液腺などの外分泌腺に慢性的に炎症が生じ、涙や唾液の分泌が低下して、乾燥症状が現れる自己免疫性疾患。

もしかして私もドライマウス?
セルフチェック
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チェックが多い人ほど、ドライマウスの可能性が高いです。早めに歯科、口腔外科を受診しましょう。


こんなにある唾液の重要な役割

加齢に伴い食事量が減り、食べ物を噛む回数が減ることはあるでしょう。

コロナ禍では友人との会食機会も失われ、話す笑うといったことが少なくなった人もいます。

食事での噛む回数の減少や口を動かさない生活は、唾液の分泌量を減らすのです。

コロナ禍でのマスク習慣も悪影響を及ぼすことがあります。

「マスク着用で呼吸がしづらくなると、口を開けて空気を吸い込む口呼吸になりやすいのです」と栗原先生。

鼻で呼吸するときには、鼻の粘膜の繊毛がフィルターの役割を果たし、病原菌やホコリなどを除去すると同時に空気も温めます。

口呼吸では、冷たい空気を直接吸い込むことで口の中が乾燥します。

さらに悪い菌の働きで歯周病菌も繁殖して口腔環境が悪化しやすいのです。

「マスクを着けていて口がネバネバしたら口呼吸の証しです。さらに、『落ちベロ』という舌の状態も口呼吸を後押しします」と栗原先生。

口を閉じたときに舌は上あごの下(口蓋)についているのが、健康な状態です。

落ちベロになると、下の歯の裏に舌がついたり、どこにも触れずに宙ぶらりんになります。

これが落ちベロです。

ドライマウスは唾液の重要な働きを妨げます。

唾液による粘膜保護作用や、悪い細菌やウイルスを排除する抗菌作用、口の汚れを洗浄する自浄作用が失われるのです。

つまり、唾液が減ると、抜歯の原因となる歯周病の進行・悪化、歯周病菌と関係する誤嚥性肺炎や生活習慣病の進展など、全身の健康に悪影響を及ぼすことがあるのです。

「唾液は、さまざまなトラブルから私たちを守ってくれます。分泌量が少ないと感じたら歯科医師に相談しましょう」(栗原先生)

唾液の主な働き

・口の中の汚れを洗い流し、清潔に保つ
・外部からの細菌の侵入を防ぎ、排出する
・食べ物をのみ込みやすくする
・口の中を常に湿らせて粘膜を守る
・歯周病や虫歯菌の繁殖を抑える
・口の中を中和して虫歯を防ぐ
・食べ物を溶かして味蕾で味を感じる
・アミラーゼという消化酵素を含み、糖質を分解する
・歯のエナメル質を強くする
・抗がん作用や老化防止作用を持つ物質を含む

【次ページ:舌のサイドがギザギザ!? 鼻呼吸と口呼吸は何が違う?】

 

<教えてくれた人>
栗原ヘルスケア研究所 所長
栗原丈徳(くりはら・たけのり)先生
1982年東京生まれ。鶴見大学歯学部卒。口の健康と全身疾患との関係性に興味を持ち、予防歯科医療や食と健康をテーマに活動し、大学や介護施設などで講演も行う。

この記事は『毎日が発見』2021年2月号に掲載の情報です。

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