ウイルス対策にも! 知っておきたい「お手軽鼻うがい」と「本格鼻うがい」2つのやり方

皆さん「鼻うがい」って聞いたことありますか? 医学博士・堀田修先生は「上咽頭のウイルスを洗い流してくれるこの『鼻うがい』こそ、ウイルスなどの感染予防の新定番になるはず」と言います。そこで、堀田先生の著書『ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい』(KADOKAWA)より、鼻うがいのチカラや、「痛くない」「手軽な」やり方をご紹介します。

少量で手軽な「上咽頭洗浄」

鼻うがいの方法には、簡単な「上咽頭洗浄」と「本格的な鼻うがい」の2種類があります。

まずは手軽にできる「上咽頭洗浄」を試してみましょう。

子どもの頃にプールで鼻に水が入ってツンとした経験から、「鼻に水を入れる鼻うがいは痛いのではないか」と思っている人が多いかもしれません。

しかし、人の体液とほぼ同じ濃度の食塩水を使った鼻うがいは、痛くないので安心です。

鼻に入れる食塩水は少量なので、そのまま飲んでしまってかまいません(全く痛くないはずです)。

1日2回、朝夕行うのがおすすめです。

〈用意するもの〉
・食塩水

関連記事:自分で簡単に作れます。体の不調の予防・改善してくれる「鼻うがい」用の食塩水の作り方
・スポイトまたはお弁当用のしょうゆ入れなど。小さめでやわらかいプラスチック製の容器(押すと水が出るタイプ)

〈やり方〉

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頭を後ろに反らせて、左右の鼻に食塩水を入れる。食塩水は飲み込むか口から出す。

① 食塩水を用意した容器に入れます。自分の頭を後ろに60度ぐらい倒した状態でキープ。

② 左右の鼻に食塩水を2~4mlくらいずつ注入します。これを1~2回行います。口に流れてきた食塩水は飲み込んでしまってかまいません。

鼻腔も洗える「本格的な鼻うがい」

次は、「本格的な鼻うがい」です。

上咽頭だけでなく鼻腔もしっかり洗うので、100~250mlの水が入る容器を用意します。

容器は、100円ショップやインターネットなどで入手できるドレッシングポットとスポイトを使って簡単に作れます。

ここでは、松本小児科医院(大分県)の松本常圃顧問が考案した鼻うがい容器を紹介します。

スポイトのお尻に穴を2つあけて管の部分を2カ所で切断し、お尻のある方をドレッシングポットの先端に、管の下の細くなった方をふたの下に差し込んだらでき上がりです。

また、市販の鼻うがい専用器具もさまざまな種類があるので必要に応じて使いましょう。

【鼻うがい容器の作り方】

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〈用意するもの〉
 ・食塩水100~250ml
 ・鼻うがいの容器(食塩水が入るぐらいのもの)

〈やり方〉

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少し前かがみになって、「エー」と声を出しながら片方の鼻に食塩水を入れる。食塩水は反対側の鼻と口から出てくる。最初は入浴時に行うと良い。

① 食塩水を容器に入れて、少し前かがみになりながら一方の鼻から食塩水を入れ込みます。このとき「エー」と言いながら鼻うがいをすると、水が気管に入る誤嚥を防ぐことができます。

② 片方の鼻に入れた食塩水は、もう一方の鼻(一部は口)から出てきます。

③ 反対側の鼻も同様に行います。これを1~2回行います。

鼻うがいをする前に、食塩水をペットボトルなどに入れてお風呂の湯船に浮かべておくと人肌の温度になり、容器に移して鼻うがいをしたときに使用感が向上します。

ですので、最初は入浴のときに鼻うがいを試してみると良いでしょう。

痛くない「快適鼻うがい」が簡単にできることが分かると思います。

ウイルスによる風邪を予防するための鼻うがいは、少なくとも1日1回は行う必要があると思います。

衣服などを濡らしたり汚したりする心配もなく、鼻うがい容器をそのまま乾かすことのできる「入浴時の鼻うがい」は、手軽でおすすめです。

【まとめ読み】『痛くない鼻うがい』記事リスト

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簡単鼻うがいで、感染症からしっかり身を守れる方法を、6章にわたって分かりやすく解説

 

堀田修(ほった・おさむ)
防衛医科大学校卒業、医学博士。医療法人モクシン堀田修クリニック院長、認定NPO法人日本病巣疾患研究会理事長、IgA腎症根治治療ネットワーク代表、日本腎臓学会評議員。

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『ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい』

(堀田修/KADOKAWA)

新型コロナウイルスを撲滅するのは難しく、「いかに感染を防いで共存するか」に注目したいこの時代。マスク、手洗い、密を避ける、換気といった従来の予防策に加え、上咽頭のウイルスを洗い流してくれる「鼻うがい」こそ、感染予防の新定番になるはず。withコロナ時代における、注目の一冊です!

※この記事は『ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい』(堀田修/KADOKAWA)からの抜粋です。
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