ウイルスの除去にも効果的⁉ 「上咽頭」を洗う「鼻うがい」とは?

皆さん「鼻うがい」って聞いたことありますか? 医学博士・堀田修先生は「上咽頭のウイルスを洗い流してくれるこの『鼻うがい』こそ、ウイルスなどの感染予防の新定番になるはず」と言います。そこで、堀田先生の著書『ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい』(KADOKAWA)より、鼻うがいのチカラや、「痛くない」「手軽な」やり方をご紹介します。

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ウイルスが多く存在する「上咽頭」を洗うために

新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる検査として、「PCR検査」がすっかり有名になりました。

PCR検査では、鼻の奥の粘膜(上咽頭粘膜)を綿棒でこすって検体を採取します。

●新型コロナウイルスを検出するPCR 検査

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鼻から綿棒を入れて上咽頭粘膜の検体を採取し、PCR検査で陽性かどうか判断する。

なぜ鼻の奥を調べるのかというと、口の奥の中咽頭粘膜をこするよりも鼻の奥の上咽頭粘膜をこすった方がウイルスの量が多く、陽性率も高いからです。

つまり、上咽頭粘膜が中咽頭粘膜よりも新型コロナウイルスのレセプターの数が多いということです。

新型コロナウイルスのレセプターが鼻咽頭(鼻と上咽頭)粘膜に多いことは、研究でも報告されています(Sungnak W 2020)。

従来から行われているガラガラ口うがいで洗えるのは、内部がつるつるしている口の中と口の奥の中咽頭です。

一方の鼻うがいは、繊毛という細かい毛がびっしり生えた鼻腔と上咽頭を洗うことができます。

体内に入った花粉や細菌、ウイルスなどは、つるつるの中咽頭よりも繊毛上皮で覆われた上咽頭に付着しやすいため、うがいでウイルスの除去をするのであれば、ウイルスがより多く付着している上咽頭を洗う鼻うがいが効果的だと考えられます。

●「鼻うがい」と「ガラガラ口うがい」の違い

ガラガラ口うがい

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口の中と中咽頭しか洗えず、鼻腔と上咽頭にウイルスや細菌が残っている。

鼻うがい

鼻うがい-001-.023-3.jpg鼻腔と上咽頭も洗えるため、ウイルスや細菌をきれいに洗い流せる。

実際に鼻うがいに関しては、ガラガラ口うがいよりもはるかに多い数の論文が報告されています。

しかも、そのうちの4分の3はここ20年間の報告となります。

ウイルスが体に入ってから発症するまでの時間(潜伏期)は、ウイルスがレセプターと結合して、細胞に取り込まれてから増殖(自己複製)するまでに要する時間の長さで決まるといわれています。

インフルエンザの潜伏期は1日程度と短く、一方の新型コロナウイルスは4~5日と考えられています。

そして、ウイルスの量は発症前後が一番多いと報告されています。

そのため、うがいで感染を予防するには、ウイルスが体に入ってから自己複製するまでの間にうがいを行うのが重要だと考えられます。

「ウイルスが細胞に取り込まれるのは分単位の話なので、うがいの効果は期待できない」と、うがいに懐疑的な研究者もいますが、実際の臨床では必ずしもそうではないようです。

【まとめ読み】『痛くない鼻うがい』記事リスト

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簡単鼻うがいで、感染症からしっかり身を守れる方法を、6章にわたって分かりやすく解説

 

堀田修(ほった・おさむ)
防衛医科大学校卒業、医学博士。医療法人モクシン堀田修クリニック院長、認定NPO法人日本病巣疾患研究会理事長、IgA腎症根治治療ネットワーク代表、日本腎臓学会評議員。

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『ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい』

(堀田修/KADOKAWA)

新型コロナウイルスを撲滅するのは難しく、「いかに感染を防いで共存するか」に注目したいこの時代。マスク、手洗い、密を避ける、換気といった従来の予防策に加え、上咽頭のウイルスを洗い流してくれる「鼻うがい」こそ、感染予防の新定番になるはず。withコロナ時代における、注目の一冊です!

※この記事は『ウイルスを寄せつけない! 痛くない鼻うがい』(堀田修/KADOKAWA)からの抜粋です。
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