新型コロナウイルスによる自粛生活によって、運動不足の方も多いですよね。そんな「withコロナ」の時代にオススメと再評価されているのが、医学博士の故・田中宏暁さんが提唱された「3つの運動」。自宅で簡単にできる「足踏み」、台を使った「スローステップ」、さらに無理のないペースの「スロージョギング」です。田中さんの著書『免疫の働きUP! 4秒で1段昇り降り スローステップ運動』(KADOKAWA)より、手軽に健康な身体づくりができる「スローステップ運動」についてご紹介します。
呼吸は自然呼吸で
走るときには「スッスッハッハッ」と2回ずつ息を吸って2回ずつ吐きましょう、そんな呼吸法を教わったことがある人は少なくないようです。
その常識はもう捨ててください。
スロージョギングでは呼吸を意識する必要はまったくありません。
たとえば、階段を上がるとき、呼吸を意識して昇る人はまずいないでしょう。
階段昇りは安静時の活動レベルの6倍です。
スロージョギングはそれと同等かもっと低い活動レベルの運動です。
私たちの身体は運動して酸素が必要になれば、自動的に十分な量の酸素を肺に取り込むことができます。
意識して呼吸をコントロールしようとする必要はないのです。
実際、トップレベルのマラソン選手で呼吸を意識してコントロールしている選手は皆無です。
呼吸は走っている間、口を開けてオートコントロールにまかせましょう。
息が切れて苦しいと感じたらそれはオーバーペース。
ペースを落としてください。
呼吸は意識せずに自然にまかせる
走っている間は口を開いて自然に呼吸を。
ハアハアと息が切れてきたら、それは体力以上のペースで走っている証拠。自然呼吸ができるレベルまでペースを落としましょう。
ニコニコペースで走る
ニコニコペースとは一体、どんなペースなのか最初は実感できないかもしれません。
基本は、息切れをせず、笑顔を保って会話できるようなスピードで走ること。
おすすめは誰かに隣で歩いてもらって、そのスピードに合わせて走ってみることです。
大体、そのスピードは時速3~5kmに相当します。
これまで一切運動してこなかった人が走りはじめるときは、散歩レベルのスピード、時速3㎞あたりからはじめますが、足踏みやスローステップ運動を段階的に実践してきたなら、時速4~5kmくらいのスピードでも楽に走れるはずです。
ほとんどの人は、走っているうちに知らず知らずスピードが上がってしまいがちです。
そこでがんばろうと思わずに、少しでも苦しいと感じたらすぐにペースを落としてください。
ニコニコペースを忘れずに。
ニコニコペース
笑顔で会話しながら走れるペース。息切れもしません。
がんばりペース
息切れをして汗をかくペース。がんばらなくては走れません。
適度なペースを自分の感覚でつかむ
上の表はスウェーデンの心理学者、ボルグ博士が開発した運動強度の指数です。最も楽な強度を6、最もハードな強度を20として、運動中、自分がどう感じているかで強度の目安とします。ニコニコペースは、10~12の「楽である」のゾーン。13の「ややきつい」レベルはがんばりすぎです。
イラスト/加藤 マカロン
新型コロナ自粛の運動不足解消法として再注目されている「スローステップ運動」を、4章にわたって解説